ニュース 社会 作成日:2013年10月7日_記事番号:T00046258
イタリアの喫茶店では、客が代金を支払う際、コーヒー代も払えないほど困窮した誰かのために1杯分を余分に支払ってサスペンド(保留)しておく「サスペンデッド・コーヒー」という習慣があるそうだ。この仕組みが今世界中に広がっており、台湾でも「サスペンデッド・ミール(食事)」に姿を変え、この半年で一気に500店舗以上の飲食店がこのシステムに賛同し、導入している。
今年3月、新北市のある麺類店が台湾で初めて「サスペンデッド・ミール」システムを導入。その後全土に広がっていき、あるインターネットユーザーが導入店をまとめたサイト「台湾愛心地図」によると現在、500店舗以上に増加している。
サスペンデッド・ミールを提供している店舗には、赤いハートマークのポスターが張られている(愛心待用ホームページより)
なお、このサイトを立ち上げたネットユーザーが以前、米国やマレーシアなど各国のサスペンデッド・ミールの普及状況を調べたところ、店舗数、店舗密度で台湾が飛び抜けていることが明らかとなったそうで、台湾人の善意の強さを感じたという。
実際、台北市の冷麺店「廖家涼麺」では、サスペンデッド用に支払われる代金が、消費される速度を大きく上回っており、現在50台湾元の冷麺100杯分以上の金額が「保留」されているという。このため保留金が増え過ぎることを懸念した店主は「一定金額を超えると慈善団体に寄付します」というポスターを掲げることにした。
一方、昨年失業して厳しい経済状況に陥っているという女性は、「最初は30元の乾麺とスープだけしか注文する勇気がなかったが、サスペンデッド・ミールを知り、今では1日に2食利用している」と心理的抵抗も徐々になくなっているようだ。
台湾で導入店が急速に増えた要因について台湾大学社会工作系の林万億教授は、▽生活圏内に店舗があり市民が寄付しやすい▽ネットを通じて中産階級の間でブーム的に広がった▽寄付する金額が小額──の3点を挙げている。
ただ、一過性のブームではなくしっかりと社会に根付かせることができるかが課題と言えそうだ。
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