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伝説の少年野球チームが復活、国際大会で初の栄冠


ニュース 社会 作成日:2013年10月8日_記事番号:T00046284

伝説の少年野球チームが復活、国際大会で初の栄冠

 原住民が多く住む台東県の山あいにある小学校の児童で結成された少年野球チーム、「紅葉少棒隊」と言えば、1968年、当時世界大会で優勝した日本のチームを破る快挙を達成して台湾中を熱狂の渦に巻き込み、当地で野球が盛んになるきっかけを作った伝説のチーム。同チームはその後、地域の過疎化や資金不足によって一時は活動停止に追い込まれたが、企業などの寄付金を得て復活。このほどシンガポールで開かれた南アジア少年軟式野球大会で見事優勝を果たし、国際大会で初の栄冠に輝いた。


優勝旗を授与された紅葉少棒隊(6日=中央社)

 野球好きだった紅葉小学校の校長によって紅葉少棒隊が結成されたのは物資の乏しかった63年のこと。当初は木の棒をバットに、石ころをボールに使用するなど劣悪な環境での練習を余儀なくされたが、結成1年目にして県大会で優勝。その後、台湾大会でも優勝を収めた。そして68年、世界チャンピオンの日本チームを7対0で破り、台湾中に野球ブームを巻き起こした。

 ただ紅葉少棒隊は当時、国際大会への出場経験はなく、あとは世界的な実績を残すだけだと期待されていた。しかし、紅葉集落からはその後人口の流出が続き、チームは弱体化。メンバーも集まらなくなってついに解散に追い込まれた。

 そんな中、かつての伝説のチームの窮状を見て、企業などが寄付金の提供を申し出たことで4年前に再結成が実現。今年4月には台湾チャンピオンに返り咲き、南アジア少年軟式野球大会への参加が決定。念願の国際大会出場を果たした。

 そして今月開催された大会では、日本、タイ、オーストラリアなどから強豪が参加する中、順調に勝ち進み、決勝では日本の「臨空ルーキーズ」(宮城県)を3対0で完封。見事優勝を成し遂げた。

 旅費が捻出できず、選手の家族らが現地に応援に駆け付けることはかなわなかったが、6日にインターネットで結果を知った村長からの知らせを受け「紅葉精神が戻ってきた」と歓声を上げた。子どもたちの帰郷を待って盛大な祝勝会を開催する予定だ。