ニュース 電子 作成日:2007年12月26日_記事番号:T00004637
鴻海集団傘下のプリント基板(PCB)メーカー、鴻勝科技が中国山東省煙台で操業している工場が大規模な火災に見舞われ、26日付工商時報によると、月産能力260万平方インチの約39%に当たる100万平方インチが消失した。鴻海集団にとっては痛手だが、この火災によって来年のPCB市場は供給過剰の懸念が解消され、業界にとって恩恵となるもようだ。
火災は先週22日の土曜日に発生し、4時間以上燃え続け、2度にわたって延焼も起きた。工場は24日午後3時になってようやく再開放された。鴻海集団では、「小規模な火災」としているが、業界では生産再開に少なくとも約4カ月はかかると見ている。被害を受けたのはマザーボード、ノートブック型パソコン用基板の生産ラインで、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)など大型システムメーカーが顧客に含まれるもようだ。被害額は現在算定中だ。
鴻海集団に与える影響は、鴻勝の業績への打撃は当然で、同社は煙台工場の受注分を淮安工場や、グループ企業の広宇科技(パン・インターナショナル)に振り向けるとみられる。また、鴻海はこれを契機に長期的にはPCBから撤退していくと予想する業者もある。
早期展開にメリットか
しかし、供給過剰が続いてきたPCB業界にとっては、それが解消される好機となるようだ。中国政府は環境保護のためPCBメーカーに生産拡大を許可していないこともあり、来年は供給不足に陥るとみられる。
鴻海、華碩電脳(ASUS)、精英電脳(ECS)など大型メーカーは、コスト削減のためにここ数年、自社グループでPCBを生産する動きを強めていた。来年、PCBの供給不足が拡大すれば、市場展開を早めるメーカーに有利な情勢となりそうだ。
なお、工商時報によると、台湾のPCB業界では過去20年、楠梓電子(WUS)、耀文電子工業(ユニキャップ)、金像電子(ゴールド・サーッキット・エレクトロニクス)、鴻源科技、日月光半導体(ASE)の中レキ工場(レキはつちへんに歴)など、毎年のように火災が発生し、その度に減産と同様の効果がもたらされて供給過剰状態を救ってきたという。
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