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先住民に「人間扱いする」、馬英九氏が大暴言


ニュース 社会 作成日:2007年12月27日_記事番号:T00004639

先住民に「人間扱いする」、馬英九氏が大暴言

 
 国民党の総統候補者、馬英九氏が、先住民を見下しきった差別発言を行い、撤回し謝罪の意を示す一幕があった。

 事の起こりは今月8日、取り壊しが目前に迫っている台北県新店の違法建築、渓洲部落に暮らす先住民たちが陳情に訪れた時のことだ。 

 政府が手配した台北県三峡の国民住宅への転居を拒み、渓洲部落に住み続けて伝統文化を守りたいと訴える彼らに対し、馬氏は「君たちもここ(都市)に来た以上は、ここのやり方に従わなければならない」と、都市計画政策を受け入れるよう説得。

 さらに、「私は君たちを人で、市民だと思っている。先住民の遺伝子に問題はない。だからこそ君たちをちゃんと教育し、チャンスを与えなければいけないと思っている」と話した。

 馬氏のこの少数者を見下すエリート意識と、漢民族の優越感に満ちた発言に、先住民の怒りが爆発。先住民の立法委員らは26日、馬氏は総統としてふさわしくない人物だと激しく批判した。
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今月21日、先住民の国民党立法委員候補を応援した際の馬英九氏。笑顔が引きつっているように見えるのは気のせいか(中央社) 

 民進党の陳瑩立法委員は、「原住民は人じゃないとでも言うのか?馬英九は人に対する基本的な尊重というものを全く知らない。ハーバード大留学も無駄だった」と非難し、馬氏に謝罪を求めた。来月の立法委員選挙で山地原住民区に出馬する侯金助候補は、「馬英九と国民党はまだ植民地主義思想を引きずっている。国民党の山地現代化政策は住民の同化政策にほかならない」と批判した。

 これに対し馬氏は当初、「言葉の一部だけを取り上げた勝手な解釈で、言いがかりだ」と反発していたが、27日になって「一部の表現で不愉快な思いをさせてしまい、謝罪したい」と語った。

 その上で、「先住民の都市移転後、彼らの生活を守り、権益を保障したいという意図の発言で、差別のつもりはなかった」と強調した。

 馬氏は台北市長時代、小吃(台湾の伝統軽食)店が集まっていた円環(重慶北路と南京西路のロータリー)の再建に取り組んだ際、ガラス張りの設計が「雰囲気に合わない」との業者の反発に、「君たちに明るい未来を与えてあげたい」と語ったり、議会で「HANG TENを着たような人まで車で東区に来れば、駐車スペースが足りなくなってしまう」と答弁するなど、上からものを見る「馬脚」を現すことがたびたびあった。