ニュース 電子 作成日:2013年10月16日_記事番号:T00046440
IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)は第3四半期、中国のスマートフォンチップ市場でシェア過半を獲得したもようだ。新製品を次々投入し、大手からホワイトボックス(白牌)と呼ばれるノーブランド、無名ブランドまでの受注獲得に成功したことが大きい。来年は大型液晶パネル用チップでも攻勢をかける考えで、業界では液晶パネル用チップに強みを持つ安恩科技(IML)との提携拡大観測も浮上している。16日付電子時報などが報じた。
メディアテックは第3四半期、デュアルコアプロセッサー「MT6572」、クアッドコア「MT6589」がけん引し、スマートフォンチップの出荷量は6,500万個以上と目標を大きく上回った。
台湾のIC設計業者は、同社はまずローエンド市場に注力し、徐々にハイエンド市場を攻める戦略の下、新製品では大手クアルコムと同水準ながら低価格を実現し、コストパフォーマンスを武器にクアルコムのシェアに食い込むことに成功したと説明した。
また、メディアテックが中国のホワイトボックスから支持を集めた理由について中国の業界関係者は、クアルコムは2009年に第3世代移動通信システム(3G)チップで中国市場に進出した際、スマートフォンメーカーの開発負担を軽減する「クアルコム・リファレンス・デザイン(QRD)」を提供した。しかし、当時はまだスマートフォン人気に火が付いていなかったことに加え、技術的な問題が発生するなどで支持を得られなかった。一方、メディアテックは従来型携帯電話端末(フィーチャーフォン)のソフト、ハードウエアの研究開発(R&D)チーム(3,000人以上)によって、顧客のフィーチャーフォンからスマートフォンへの展開拡大に協力し、現在のスマートフォンへの買い替え商機をつかむことができたと説明した。
同社は第4四半期中にクアッドコアの「MT6588」、8コア(オクタコア)の「MT6592」、来年第1四半期には同社初の第4世代移動通信システム(4G)、LTE対応チップ「MT6290」を投入し、さらなるシェア拡大を図る。
オクタコアは高評価
来年は特にオクタコアに注力するとみられている。MT6592は、台湾積体電路製造(TSMC)の28ナノプロセスを採用し、今年11月からの量産を予定している。8個のコーテックスA7プロセッサーを使用し、8コアを同時に運用できるため、業界関係者から高い評価を得ている。市場の観測では、中興通訊(ZTE)、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、聯想集団(レノボ)など大手ブランドを合わせ、中国の20社余りから受注を獲得したという。量産初期の第4四半期は供給がひっ迫するものの、来年第1四半期以降に解消される見通しだ。
タブレット・液晶パネル市場攻略
また、同社は来年中国市場において、タブレット型パソコン、液晶パネル用でも攻勢をかける。ただ、タッチパネルや大型液晶パネルチップの生産ラインが比較的少ないため、それを補うための提携パートナーを探しているとみられ、同分野に強いIMLの名前が浮上している。観測が事実であれば、IMLは、タッチパネル用IC、電源管理ICなどの液晶パネル用チップでメディアテックの主要サプライヤーとなる。IMLは同観測について「ノーコメント」とした一方で、来年の出荷量は数倍の成長が見込めると表明した。
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