ニュース 社会 作成日:2013年10月21日_記事番号:T00046496
長引く景気低迷に加え、兵士虐待死問題、国民党内の政治闘争による立法院の空転、検察による立法院の盗聴疑惑などを受けて馬英九総統への風当たりが強まる中、19日、20日に出席したイベントで相次いで馬総統に向かって靴が投げつけらるという事態が発生した。
民衆から投げ込まれるものから馬総統らを守る網は、高さ約2メートル、幅8メートルほどだという(20日=中央社)
19日、国立海洋大学(基隆市)の創立記念イベントに出席するため馬総統の乗った車が校門に差し掛かったところ、民進党の基隆市議が車に向かって靴を投げつけた。またその日の夜に参加した全国運動会の開会式でも、あいさつを述べる馬総統の背後のスタンドから靴が投げ込まれた。さらに20日出席した客家のイベント(台北市)でも2足の靴が馬総統を襲った。
これらの投げつけられた靴が馬総統に命中することはなかったようだが、相次ぐ攻撃に警備員は、靴をキャッチするための網を導入するなど警戒を強めている。
なお政治家などに靴を投げて抗議を表明するという風潮は、2008年にバグダッドを訪れたブッシュ米大統領(当時)にイラク人記者が行ったことに端を発する。百科事典サイト「ウィキペディア」(英語版)には「靴投げ事件」という項目が立てられ、主要な事件が記述されているが、最近の「ターゲット」は8件連続で馬総統となっている。
市民の政治意識が高い台湾では、「靴投げ」のように直接的な手段による政治家への抗議が少なくなく、馬総統だけでなく李登輝元総統も退任直後の2000年5月に赤い墨汁を首に浴びせられるという被害を受けている。さらに08年には退任した陳水扁前総統が裁判に出廷した際、対立する政治団体のメンバーに臀部(でんぶ)を蹴られるという事件まで発生している。
馬総統への「靴投げ」に対しメディアからは「市民の間に共鳴を呼ぶことができるだろうか」と疑問を呈しつつ、馬総統には「施政を見直し、経済を改善させてこそ民心を勝ち取れる」と提言している。
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