ニュース 食品 作成日:2013年10月23日_記事番号:T00046574
飲料への有害可塑剤添加、タピオカへの工業用原料の無水マレイン酸の使用など、食の安全が脅かされる事件がここ数年相次いで起きているが、先週より食用油で成分不当表示や禁止着色剤の添加が発覚し、社会に衝撃を与えている。これを受け、江宜樺行政院長は22日、▽食品の大規模検査▽安全性認証マークの統一▽違法業者への責任追及──を徹底する方針を掲げた。「食品安全検査・取締聯合小組(小委員会)」を設立し、違法食品の取り締まりに力を入れる。23日付工商時報などが報じた。
スーパーなどでは問題製品の撤去が相次いでいる。消費者も成分表示に注意しているが、何を信用したら良いか分からず一刻も早い調査報告が待たれる(22日=中央社)
現在食品の安全検査は、メーカーの自主検査と政府によるサンプル検査が行われているが、今後「聯合小組」が民間業者や学識者の協力の下、メーカーのあらゆる食品に対し発売前の検査を義務付ける制度を確立する方針だ。さらに、来年1月初旬にはボランティアや台湾全土130の大学・専科学校の食品・栄養関連学科の参加を仰いで「食品安全保護連盟」を発足させ、第三者として市販食品の表示調査などに協力してもらう考えだ。
問題拡大を懸念
政府が食の安全対策強化に本腰を入れるのは、食用油大手、大統長基食品廠で▽「純度100%」をうたったオリーブオイルに別の食用油を配合▽食用油への使用が禁止されている着色剤「銅クロロフィル」を添加▽サラダ油に安価な綿実油(ワタの実を絞った油)を配合──などが発覚したことが発端で、問題のさらなる拡大が懸念されているためだ。台湾への綿実油輸入量の6割を輸入する富味郷食品に加工食品への綿実油混入疑惑も浮上し、同社に生産委託していた食品メーカーにも問題が飛び火する可能性もある。
食用油に関して衛生福利部は既に全土163社に調査を行うことを決めた。既に76社で実施し、62製品が検査対象に挙がっている。その中には大統および富味郷の製品も含まれており、1週間以内に調査結果が公表される見通しだ。
認証制度の信用失墜
食の安全性を認証する「GMP(Good Manufacturing Practice)認証制度」は台湾で1989年の導入後、昨年7月までに440社、3,644製品に認証を行った。しかし問題となっている大統の17製品が認証されていたことから、制度自体の信用が揺らぎ見直しが叫ばれている。工業局民生化工組は、17製品の認証は18日に取り消したが、大統の認証製品は安全性には問題がなく、違法が発覚した製品は認証していないと弁明した。
佳格食品、「検査を歓迎」
一方、黄偉哲立法委員(民進党)は同日、衛生福利部が昨年、美和科技大学(屏東県)に委託した「市販の食用調合油(25製品)の表示基準」の調査結果を明らかにし、政府は既に7製品に問題があることを知っていたと暴露した。中には大統の4製品の他、食品大手の台湾佳格食品(スタンダードフーズ)が「得意的一天」ブランドで販売している「多酚健康調和油」、「52%葡萄籽健康調和油」、維義事業のオリーブ油なども成分不当表示で名前が挙がっていたとして、大統製品の問題は氷山の一角にすぎないと指摘した。
これを受けて、佳格食品、維義事業は政府の基準に基づき製造しており不当表示はあり得ないと説明。佳格食品は「検査はいつでも歓迎する。社の潔白を証明したい」としている。
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