ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

死んだと見せ掛け中国に潜伏、保険金6千万元詐取


ニュース 社会 作成日:2013年10月25日_記事番号:T00046603

死んだと見せ掛け中国に潜伏、保険金6千万元詐取

 多額の借金を抱えた一組の夫婦が事故で死亡したと見せ掛ける保険金詐欺を計画し、2001年に実行して約6,400万台湾元の保険金を子どもに受け取らせることに成功した。自分たちは中国で偽名を使い潜伏を続けたが、今年に妻が病気で死亡したことを機に2人の正体が中国の公安に発覚し、通知を受けた台湾の警察が子どもの1人から聴取した結果、事件が明るみに出ることとなった。

 新北市で建設業を営んでいた60代の夫婦は00年、事業に失敗して数千万元の債務を抱えたことから保険金の詐取を計画。台風が接近していた翌年7月29日、夫婦は友人に車で集金に行くと告げたまま行方不明となった。翌日、夫婦の使っていた車が海に面した崖の下で発見されたが、車内に夫婦の姿は見当たらなかった。

 当日は雨量も多くなく、風もそれほど強くなかったこと、および車内から血液反応がなかったこと、さらに車の後部に手で押したような指紋が見つかったことから警察でも偽装が疑われたという。

 しかし事故から2年余りが過ぎたころ、3人の子どもは裁判所に夫婦の死亡宣告を請求。これに基づいて生命保険会社に保険金の支払いを求め、6,400万元の受け取りに成功した。

 一方、夫婦は偽名を使って中国大陸に渡り、約12年間逃亡生活を続けた。しかし、今年5月に妻が心臓病で死亡した際に公安に偽名が見破られ、その事実を伝えられた台湾の警察が調べたところ、この妻は既に台湾で死亡しているはずだということが判明した。

 結局、警察に説明を求められた子どもの1人が「父を逃亡生活から解放し、母を故郷の地で眠らせたい」と考え、全てを自供した。

 なお保険会社は、2人の死亡に疑問があるとして09年に保険金の返還を求めて夫婦の子どもを提訴していた。しかし警察が今年5月の時点で父親が生きているという情報を入手していたにもかかわらず、裁判所に通知しなかったため、最高裁は今月23日、「夫婦が生存している証拠がない」として保険会社敗訴の判決を言い渡してしまった。

 なお夫婦の子どもによると、受け取った保険金は夫婦の逃亡生活費などに使い果たし、返済能力は残っていないという。