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サムスンの卑劣マーケティングに断罪、罰金1千万元


ニュース 電子 作成日:2013年10月25日_記事番号:T00046627

サムスンの卑劣マーケティングに断罪、罰金1千万元

 台湾サムスン電子がアルバイトを使ってインターネット上に宏達国際電子(HTC)を中傷する書き込みを行わせていた事件で、公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)は24日、取引秩序に影響を与える欺瞞(ぎまん)的行為との判断を下し、公正取引法第24条違反で同社に罰金1,000万台湾元(約3,300万円)を科した。世界的大手企業にあるまじき卑劣なマーケティング手法に厳しい断罪が下された。25日付工商時報などが報じた。


サムスンのスマートフォンは台湾でもシェア首位だが、トップ企業としての品格を全く感じさせない事件だ(25日=YSN)

 事件は今年4月、台湾サムスンがアルバイトに一般消費者を装わせて、自社製品を持ち上げる一方、HTC製品に低い評価を下す「やらせ投稿」を組織的に行っているとのインターネット上での告発で明らかになった。台湾サムスンは当時社員が事件に手を染めたことを認め、反省し再教育を行うとの声明を発表していた。

あらゆる3C製品が対象

 公平会の発表によると、台湾サムスンは2007~12年、香港サムスン傘下のマーケティング企業「鵬泰行銷」(本社・香港)に対し、インターネットのコミュニティサイトやブログなどに、サムスン製品への称賛や、批判への反論、ライバル製品の欠点批判などのコメントを投稿する業務を委託。対象はスマートフォンだけでなく、あらゆる3C(コンピュータ、通信、家電)製品に及び、毎年投稿件数などを決定し、台湾サムスンは鵬泰に週、月ごとに達成率や状況などを報告させ、報酬を支払っていた。

 鵬泰は「商多利国際」という企業にも書き手の管理を任せており、公平会は鵬泰にも300万元、商多利国際には5万元の罰金を科した。

関連コメント3万件に

 公平会の調査は半年に及び、200件以上のユーザーID、3万件にも上る関連コメントを突き止めた。調査資料は4万ページに上る。公平会は、消費者はインターネットの情報を参考にすることが習慣化しており、特にユーザーの体験による口コミは信頼度が高く、消費行動に大きな影響を与えると指摘。消費者を装って他社製品を批判する台湾サムスンの手法は「ライバルに布をかぶせて殴るようなもので、相手は誰から攻撃されたか分からず反撃のしようがない」と卑劣さを強く批判した。

 公平会の決定に対し台湾サムスンは遺憾の意を表明。今後必要な措置によって信頼維持に努めると説明した。

HTC、「提訴は検討中」

 HTCも事件に対し「非常に遺憾」と表明し、台湾サムスンを提訴するかは「検討中」とした。王雪紅HTC董事長は先日の社内会議で台湾サムスンによる中傷事件について意見を求められた際、「HTCは誠実を重視する。悪事を行えば必ず自分に返ってくる」と語っていた。