ニュース 電子 作成日:2013年10月29日_記事番号:T00046679
29日付工商時報によると、液晶パネル大手、友達光電(AUO)が、アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルの量産を今月より開始した。中国の大手携帯電話ブランド、宇龍酷派(クールパッド)など向けに4.3インチパネルを出荷し、出荷枚数は月間20万~30万枚とみられる。AMOLEDパネルはサムスン電子の独壇場だったが、AUOの巻き返しが注目される。
AUOは8月下旬に開催された「台湾タッチパネル・光学フィルム製造プロセス・設備・材料展覧会(タッチ台湾2013)」で、解像度443ppiと世界最高を誇る5インチフルHDパネルと5インチのHD720を出展した。折り曲げ可能な超薄型(厚さ0.2ミリメートル)AMOLEDパネルも開発中であることを発表するなど、長年の研究成果が実り始めていた。AMOLEDの良品率が向上し、安定した供給が確保できるようになったとされる。
中国メーカーとの協力後押し
供給先である中国携帯ブランドは、日韓メーカーのパネルを採用する欧米ブランドとは異なる魅力をアピールする必要から、台湾パネルメーカーとの協力を求めている。現在AUOが量産しているのは4.3インチAMOLEDパネルだが、今後は主流となっている5インチの量産を進める。生産はシンガポールの4.5世代工場が担っているとみられ、今後同工場が小型AMOLEDパネルの生産拠点になるもようだ。
市場調査会社、ディスプレイサーチの予測によると、携帯用AMOLEDパネルの出荷枚数は2012年の1億3,400万枚から今年は2億1,700万枚に拡大する。
4Kでは追撃受ける
一方、超解像度の4K2Kパネル市場ではAUOと群創光電(イノラックス)の台湾勢が、韓国勢を技術面で半年リードしているとされる。しかし、関係者によればLGディスプレイ(LGD)は4Kパネルの出荷枚数が単月約2万5,000枚に上っており、急速な追い上げを見せている。内訳は▽55インチ、1万~1万5,000枚▽65インチ、5,000枚▽84インチ、3,000~5,000枚──で、ハイエンド製品に狙いを定め、グループブランド、中国ブランドの他、ソニーの受注を獲得しており、AUOはLGDと分け合うことになってしまった。
LGDは来年4Kパネルの出荷枚数180万~200万枚、市場シェア3割の獲得を目標にしており、来年上半期に生産効率の高い49インチの量産を計画しているもようだ。また、既存サイズで台湾メーカーと足並みをそろえたい考えで、中国・広州工場に8.5世代生産ラインを新設し、第2四半期~第3四半期に稼働するとの観測も浮上している。液晶パネル市場で低価格競争が繰り広げられている42インチへの参入も検討しているもようだ。
台湾メーカーはOLEDに強みを持つLGD、サムスンに対抗し、4Kパネルに注力してこの分野ではリードを保ってきた。しかし、OLEDテレビの高コスト問題が浮上したことから、韓国メーカーは4Kパネル市場でも積極展開を進める考えとみられ、競争激化が懸念される。なお。ディスプレイサーチは、今年のテレビ用4Kパネルの出荷枚数は約250万枚、来年は630万枚に達すると予測している。
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