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4Gサービス来年下半期に、中華電信など6社に資格


ニュース 電子 作成日:2013年10月31日_記事番号:T00046738

4Gサービス来年下半期に、中華電信など6社に資格

 国家通訊伝播委員会(NCC)が実施していた第4世代移動通信システム(4G)免許発給の周波数帯に対する競争入札が30日終了した。落札総額は1,186億5,000万台湾元(約4,000億円)と周波数帯入札としては過去最高で、既存通信業者4社に加え、鴻海科技集団(フォックスコン)の子会社など新興2社がそれぞれ落札した。中華電信などによる、来年下半期のサービス開始が期待される。31日付経済日報などが報じた。

 4Gの主要通信規格であるLTEは、通信速度が第3世代移動通信システム(3G)の10倍で、既に日米韓で普及しており、今回の入札完了で台湾でもようやくサービス開始のめどが立つ。入札では、▽700MHz(メガヘルツ)、4ブロック(A1~4)▽900MHz、3ブロック(B1~3)▽1,800MHz、5ブロック(C1~5)──の計12ブロックが開放され、既存通信業者の▽中華電信▽遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)▽台湾大哥大(タイワン・モバイル)▽亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)──と、鴻海傘下の国碁電子(アンビット・マイクロシズテムズ)、頂新国際集団の魏応交董事長が主導する台湾之星移動電信の計6社が分け合った。

 今回の入札は▽落札総額が最低制限価格(359億元)の3.3倍▽総入札周波数帯、135MHz▽入札期間、40日▽応札回数、393回──など過去最高・最長を記録するなど、3G入札を大きく上回る激戦となった。また、世界的にも新興企業の参入は珍しい。

勝者は中華電信

 中華電信は今回初めて開放され、最も人気が高かったC5(15MHz)や、既に同社が使用しているB2、C2(ともに10MHz)の計35MHz(NCC規定の獲得上限)を落札しており、市場では最大の勝者との見方が強い。落札総額は390億7,500万元と6社中最高だった。李炎松総経理は「どこよりも早くサービスを開始したい」と語り、来年下半期にスタートするとの見通しを示した。5年以内に基地局7,000局を設置する計画だ。

 落札総額の次点は遠伝の313億1,500万元。同社もサービス開始1番乗りを狙う考えだ。遠伝は唯一C3、C4(ともに10MHz)と連続ブロックを落札しており、高速かつ安定したサービス提供で有利とみられる。

鴻海は15年以降開始か

 一方、鴻海傘下の国碁電子は91億8,000万元でA3、B3の計20MHzを落札した。鴻海は電子製品とインターネット、クラウドの融合を目指す「八屏一網一雲計画」を進めており、4Gへの参入が不可欠だ。同社は1~2年以内にサービス開始を目標に、2年で基地局6,000局の設置を計画しているという。

 しかし、鴻海が獲得したA3は700MHzで、インターネット設備がまだ成熟していないことに加え、対応する携帯電話もない。また、B3は通信大手3社が2Gサービスで2017年6月まで使用することになっているなど、道のりは平坦ではない。頂新集団の台湾之星も同様の問題を抱えており、同社が獲得したB1を現在使用している亜太電信との提携や、今回応札に参加しなかった威宝電信(ビボテレコム)買収などの観測も浮上している。市場では大手3社に対向するため、残り3陣営が手を組むとの見方も強く、業界再編が進む可能性がある。 

【表】