ニュース 社会 作成日:2013年11月8日_記事番号:T00046876
今月1日、台湾全土で上映がスタートしたドキュメンタリー映画『看見台湾』が話題を呼んでいる。この作品は台湾の自然や人々の暮らしをヘリコプターで上空から撮影したものだが、完成に至るまでには人並みならぬ苦労があったようだ。
『看見台湾』を撮った斉柏林監督の前職は交通部台湾区国道新建工程局の公務員で、高速道路の建設過程をヘリコプターから写真撮影する業務を担当していた。長年のキャリアで平野から山岳地帯、河川、海など台湾のあらゆる場所をその目で見つめてきた。
「上空から台湾の美しい自然を見るたびに感動を覚えた」という斉監督は、その美しさも山林開発や河川の汚染が進んだことで徐々に姿を消しており、心を痛めていたという。
そんな彼に転機が訪れたのは2009年のこと。同年8月に台湾南部を襲った台風8号(アジア名・モーラコット)による土砂崩れなどの甚大な被害状況を目にし、「台湾の大地が直面している状況を伝えるには写真だけでは十分ではない」と考えた末、交通部の職を辞し、貯金をつぎ込んで台湾初の空撮ドキュメンタリー映画を製作しようと決意した。
当初、自分の計画を伝えれば多くの人が支援してくれると考えたが、撮影用資金はほとんど集まらず、約3,000万台湾元もするという空撮用カメラは自宅を担保に入れて購入した。
幸い、後に大手企業の台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)をスポンサーに獲得でき、ようやく撮影をスタートさせることができたが、空撮を開始してからも苦労の連続だったという。
まず台湾の天気は晴れの日が少なく、「天候待ち」の時間が非常に長かった。台風が接近する前の数日間は撮影に適した状況となるそうだが、気流が不安定で強風も吹いているため安全面でのリスクも高く、さらに空撮は民間や軍の航空機を配慮しなけらばならないため、中断を迫られることも度々だったそうだ。
そんな苦労を重ね、約3年間で400時間の飛行時間と総額9,000万元の資金を費やして完成させた『看見台湾』は、ドキュメンタリー映画の公開第1週の興行成績としては過去最高の1,700万元を突破する人気となっている。
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