ニュース 食品 作成日:2013年11月12日_記事番号:T00046957
食品業界を揺るがしている成分不当表示問題で、最大手、統一企業集団(ユニ・プレジデント)も手を染めていたことが分かった。グループ傘下の統一生機開発が、栄養補助食品「明日葉精力湯」で、着色剤に使っていた人工の「銅クロロフィリンナトリウム」を「天然クロロフィル」と記載していた。味全食品工業、南僑化学工業など他の業界大手でも類似の問題が相次いで発覚しており、あたかも「不当表示が常態」であるような実態が明らかになっている。12日付自由時報などが報じた。
事件の圏外とみられていた統一集団ですら、不当表示問題から逃れられなかった(中央社)
統一集団は、「明日葉精力湯」には合法的な範囲で「銅クロロフィリンナトリウム」を使用していたが、成分表記に「天然葉緑素」と記載していたことが分かったため、2週間ほど前に自主的に回収したと説明。今後表記を改めて販売を再開する方針だ。桃園県衛生局は11日、食品衛生管理法違反で統一生機開発に罰金20万台湾元(約67万円)を科した。
食品衛生管理法の規定によると、「銅クロロフィリンナトリウム」は、▽ガム▽カプセル▽錠剤▽乾燥昆布▽野菜・果物の保存食品▽焼き菓子▽ジャム▽ゼリー▽乳飲料▽スープ類▽ソフトドリンク──に使用が認められており、それぞれ使用可能量が定められている。
統一、「われわれも被害者」
今回の問題は違法に銅クロロフィル系着色剤を使用していた食用油、麺メーカーの一連の問題を捜査する中で、複数の銅クロロフィル系着色剤を輸入している統園企業の名前が浮上し、その供給先に統一生機が含まれていたことから発覚した。桃園県衛生局によると、統園が輸入した「銅クロロフィリンナトリウム」は5社に流出しており、統一生機には16キログラムを供給していた。また、台北市政府衛生局の調べでは、統園は川下メーカー28社に銅クロロフィル系着色剤5種を供給しており、中には高級油に安価な油を混ぜて販売するなどしていた福懋油脂(フォルモサ・オイルシード・プロセッシング)も含まれていた。
ただ、統一生機は統園のパッケージには「天然クロロフィル」と記載があり、「銅クロロフィリンナトリウム」とは思わなかったと弁明。同社も被害者だとし、統園の責任を追及する構えだ。
一方、嘉義県衛生局は食品添加物を扱う遠信国際実業も銅クロロフィル系着色剤を輸入しており、供給先は統一企業本社であることを突き止めた。遠信国際実業は昨年11月に20キロ、今年1月に40キロの合計60キロを輸入。そのうちの51キロを統一企業に供給したと説明した。これに対し統一企業は、同社のパック飲料、飲冰室茶集のグリーンミルクティーに使用したもので、合法的なものと強調。ただ、成分表示は「クロロフィル」との記載のみだったため、既に出荷を停止しており、表示を改めてから再出荷すると説明した。
大統の原料油問題、味全知っていた?
一方、食用油の成分不当表示問題が発覚した頂新国際集団傘下の味全食品工業に関して、台北地方法院検察署は11日、同社の中央研究所検験分析センターを捜査したところ、同社幹部がかつてスマートフォンアプリを利用して、オリーブ油、グレープシード油の2種類の検査を指示していたことを発見。これら製品では食用油問題の発端となった大統長基食品廠の原料油を使用していたことが分かっていることから、幹部らは既に大統の原料油に問題があることを知っていた疑いが強まっている。
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