ニュース 電子 作成日:2013年11月13日_記事番号:T00046986
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は12日、張忠謀董事長(82歳)が執行長(CEO)を退任し、劉徳音(59歳)、魏哲家(60歳)の両共同営運長(COO)が総経理兼共同執行長に同日付で就任すると発表した。張董事長が2009年に執行長に復帰後、TSMCは高成長を維持しており、サムスン電子やインテルとの競争が今後の課題となる。外資系証券会社は、張董事長が今後も最終判断を下すため、経営に大きな影響は出ないとみている。13日付経済日報などが報じた。
張董事長は今後も財務と法務を担当し、2人の共同執行長から報告を受ける(12日=中央社)
劉共同執行長はTSMCの40ナノメートル製造プロセスの歩留まり率を改善した功績があり、人望も厚い。魏共同執行長は顧客開拓が得意で、クアルコムなど大手の受注を獲得した。ともに張董事長の右腕だ。
TSMCは今年上半期まで4年半で利益は実質7.7%増えた。張董事長は今後2年の売上高、利益の過去最高更新を予測している。業界では、劉、魏共同執行長は▽高成長率の維持▽競争が激しくなる中での既存顧客との関係安定▽受注拡大による先進プロセス市場でのシェア維持▽7,000~8,000人規模の研究開発(R&D)部隊の統率──が求められるとみられている。
徐々に引退、市場の不安解消
張董事長が執行長を退くのは2回目だ。2005年、現在太陽電池事業の董事長を務める蔡力行氏に執行長を託したが、09年に張董事長が返り咲いた。蔡執行長時代に大きな問題は出なかったが、攻めの姿勢に欠けたためとみられる。12年3月、後継者候補として劉、魏氏の他、蒋尚義氏の3人が執行副総経理兼共同営運長に就任し、張董事長は14年6月までに執行長を引き継ぐと公言していた。蒋氏は今年10月末で退職した。
欧州系の半導体アナリストは、張董事長は蔡氏の前例と同じく、まず執行長の座だけを譲ったと指摘。同社は28ナノプロセスで業界をリードし、20ナノは独占状態だが、16ナノではサムスンが迫っているため、董事長にとどまり全実権を手放さないことにより市場の不安解消を図ったと分析した。
定年67歳に、経営交代を制度化
TSMCは同日の董事会で、従業員の定年退職は67歳と明文化した。労働基準法に準じたもので、将来経営陣の交代がスムーズに進むよう制度化する狙いがある。
また、第4四半期の設備投資追加予算244億6,140万台湾元(約820億円)、研究開発予算と通常予算の52億6,300万元を承認した。今年の設備投資予算は3,066億元となり、100億米ドルを超えた。
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