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中華民国旗掲げた台湾人歌手、中国が「出入り禁止」か


ニュース 社会 作成日:2013年11月15日_記事番号:T00047031

中華民国旗掲げた台湾人歌手、中国が「出入り禁止」か

 台湾人女性歌手、張懸(デザーツ、32歳)が12月30日に北京で開催する予定だったライブが中止となった。彼女が今月行った英国でのライブで中華民国の国旗、青天白日満地紅旗を掲げたことを中国政府が問題視したことが原因とみられ、台湾のネットユーザーなどからは中国の対応に「心が狭過ぎる」と批判の声が上がっている。

 
 中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の范麗青報道官は記者会見で、こうした事件は起こるべきでないと述べた(中央社) 

  張懸は今月2日、英マンチェスター大学で行ったライブ中、観客席前列にいた台湾人留学生が持っていた中華民国国旗を受け取り、ステージ上で「これは私の故郷からやって来た国旗です」と紹介した。その際、中国人留学生から「きょうは政治の話題はやめて」と反発の声が上がったが、張懸は「これはただの旗。政治とは関係ない」と反論した。

 また、社会問題に対し強い関心を持つ張懸はこれまで、中国広東省の村で発生した自治運動や、香港で展開されている中国当局による教育への干渉に抗議する「反洗脳国民教育」運動への支持を表明するなど、中国政府的に反対する立場をたびたび示していた。

 このため中国側は彼女に対し監視を強めていたもようで、英国での「事件」はたちまち中国政府の知るところとなったようだ。

 張懸のフェイスブックページには、彼女のマネジャーによる「純粋な創作やファンとの交流に誤解が生じ、主催者と協議した結果、今回のライブの中止を決めた」などと書かれた声明文が掲載された。

 「中国政府の圧力があったのか」との質問に対しマネジャーは明確な回答を避けたが、芸能関係者の多くは「間違いなく政治による干渉だ」と指摘している。

 なお張懸は中国で月に平均2〜3回のライブを行っており、今後中国での活動ができなくなった場合、年間2,400万台湾元の収入が失われることになる。高収入を捨てても妥協しなかった彼女に対し、ネット上では「民族の英雄」と称える声も出ている。