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ラーガンが特許侵害でサムスン提訴、狙いは受注獲得か


ニュース 電子 作成日:2013年11月20日_記事番号:T00047120

ラーガンが特許侵害でサムスン提訴、狙いは受注獲得か

 デジタルカメラ用レンズ世界最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)は19日、サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート2」に搭載しているデジタルカメラ用レンズが同社の特許6件を侵害しているとして、サムスンと米子会社を南カリフォルニア連邦地裁に提訴したと明らかにした。顧客であるサムスンを提訴したことに業界で驚きの声が上がっているが、サムスンの次世代機種の受注を獲得したいラーガンのしたたかな戦略との観測も浮上している。20日付工商時報などが報じた。

 訴状によるとラーガンが特許侵害を主張しているのは、▽レンズの配列▽動画キャプチャー▽薄型レンズシステム▽カメラレンズ組み立て▽撮影光学レンズ組み立て▽光学レンズシステム──の6件。ラーガンは特許侵害の停止と営業損失の3倍の損害賠償を求めているが、具体的な賠償額は明らかにしていない。

 ラーガンは今年、サムスンに対し数回にわたり話し合いによる解決を訴える書面を送付した。しかし、サムスン側から回答が得られなかったため、自社の権益保護を目的に提訴に踏み切ったと説明している。ただ市場では、ラーガンが顧客であるサムスンをなぜ提訴したかに注目が集まっている。

訴訟を受注交渉の手駒に?

 ラーガンはかつてサムスンにも製品を供給していたものの、サムスン傘下メーカーや韓国系のサプライヤーによる価格引き下げを理由に値下げを要求されたため、受注を獲得できなくなっていった。しかし、今年ようやくサムスンからの再受注に成功。そして今回は、サムスンが来年発売するスマートフォンの新製品「ギャラクシーノート4」向けの受注獲得を狙って提訴を行ったとの観測が出ている。訴訟そのものを受注交渉の手駒にできる上、勝訴した場合は権利金が得られる。同業の玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル)に受注を奪われることを防ぐ意図もあるという。

 なお、今年ラーガンが特許侵害で提訴を行ったのは6月のジニアス、10月の先進光電科技(アビリティ・オプトエレクトロニクス・テクノロジー)に続き、サムスンで3社目だ。 

【表】