ニュース 電子 作成日:2013年11月29日_記事番号:T00047310
台湾は今年、プリント基板(PCB)の生産拠点として初めて韓国に追い抜かれ、世界3位に転落することとなった。台湾PCBメーカーがローエンド製品の生産を中国に移している一方、韓国はサムスン電子、LGエレクトロニクスのモバイル端末の人気が追い風になっている。生産額では依然台湾、日本メーカーがリードしているが、韓国政府は2018年の世界2位を目標に定めており、受注競争が激化しそうだ。29日付電子時報などが報じた。
PCBの最大生産国は中国で、台湾など海外メーカーの投資によりサプライチェーンが構築され、世界供給量に占める生産比率は44.4%に上る。韓国は14.8%で、台湾の13.6%、日本の10.5%を上回る。
工業技術研究院・産業経済趨勢研究センター(IEK)の統計によると、台湾PCBメーカーは第3四半期、台湾生産比率が46.3%に縮小した一方、中国生産が53.7%に拡大した。台湾ではハイエンド製品を中心に生産しているため、生産額が前期比14%増加した一方で、生産量は同11.34%しか増えていない。
一方、韓国は垂直統合を進め、産業クラスターを形成して生産量を増やしている。サムスン製品の人気で、PCB世界3位のサムスン・エレクトロメカニクス(SEMCO)は昨年売上高が前年比31.2%増、世界4位のヨンプン電子は同39.1%増と大幅成長した。これに伴いPCB関連設備、材料、加工サプライヤーも恩恵を受けた。
ただ、董鐘明IEK産業アナリストは、韓国のPCB生産の50%以上をサムスン系が占めるため、サムスンの動向が産業全体を左右するとリスクを指摘した。
日台で技術協力を=IEK
IEKの予測によると、今年のPCB生産額は世界全体で598億1,000万米ドルとなり、台湾メーカーが27%を占め最多、日本が23%、韓国が15%で続く。
台湾メーカーの今年の中台でのPCB生産額は5,057億台湾元(約1兆7,500億円)で、前年比1.88%減の予測だ。しかしスマートフォンやタブレット型パソコンの新製品発売で、第3四半期は前期比14%増の1,381億元と2011年以来で最高だった。来年は世界経済の好転を受け、前年比2.23%増の5,170億元と、成長を取り戻す見通しだ。
董アナリストは、韓国の電子製品ブランドからの受注を狙うためトレンド理解に努め、顧客サポート力を強化する他、自動車、医療、エネルギー分野など3C(コンピュータ、通信、家電)製品向け以外に狙いを転じ、台湾と競合しない日本メーカーと技術提携を強化するべきだと提言した。
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