ニュース 社会 作成日:2013年12月5日_記事番号:T00047396
夜市(ナイトマーケット)と言えば、市民や外国人観光客に広く愛される台湾B級グルメの天国だ。しかし、そこにひしめく屋台の業者は、燃料や電気代の値上がり、警察の取り締まりによる罰金、さらには暴力団へのみかじめ料の支払いという三重苦で厳しい経営を強いられているようだ。
夜市に出ている屋台の大部分は、自分の店舗を持つ資金のない業者が違法に開いている場合が多く、売上高は繁盛している場合で1日5,000〜6,000台湾元、人気がなければ同1,000元という場合もあるという。
しかし、ガス代や電気代は上がる一方でコストがかさみ、警察の取り締まりで罰金処分を受ければ利益はさらに圧迫される。
取り締まりのために警察が夜市へやって来るたび、違法営業の屋台は猛スピードで荷物をまとめて逃げることになるが、こうした取り締まりは1晩に何度もあるため、ある店主は「もう仕事をやめて家に帰ろう」と思うことも多いそうだ。
暴力団へのみかじめ料も大きな悩みの種だ。暴力団は少しでも多く搾り取ろうと何かにつけて値上げを要求してくるが、これを拒否した場合は「なわばり」を占拠されたり、屋台を破壊されるなど嫌がらせを受けるため、言われるがままにせざるを得ないという。
台北市の通化街夜市(臨江街観光夜市)を取り仕切る暴力団は、このほど近くを通る台北都市交通システム(MRT)信義線が開通したことを口実にみかじめ料を2万5,000元から3万3,000元に大幅値上げした。これにある屋台業者が反発し、「みかじめ料はもう払わない」と宣言したところ、もともと4メートルあったなわばりの半分が暴力団に占拠された。
腹を立てた業者がメディアに投稿して暴力団の横暴を訴えたところ、力ずくで夜市から追い出されてしまった。とうとう業者は警察に通報し、捜査が行われた結果、なんとこの暴力団の元締めは同夜市管理委員会の代表だったことが明らかとなった。
同代表を含む12人のメンバーが逮捕され、一件落着となったかに見えるが、屋台業者は「一つの組がつかまっても、またすぐに別の組がやって来る。夜市で営業を続けるには妥協点を見つけるしかない」とあきらめ顔だ。
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