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海中の狭小空間で沈黙の1カ月、過酷な潜水艦潜航訓練


ニュース 社会 作成日:2013年12月9日_記事番号:T00047450

海中の狭小空間で沈黙の1カ月、過酷な潜水艦潜航訓練

 台湾軍が保有する潜水艦、「海龍号」と「海虎号」は毎年、交互に連続30日以上の潜航訓練を実施している。しかしこの訓練、長期間にわたり海中の狭い密閉空間の中での生活に加え、作戦の性質上、ひたすら沈黙を守らなければならず、精神的に厳しいものなのだそうだ。

 潜水艦という限られたスペースを有効に利用するため、下級兵士には上下4層に分かれた非常に狭い居住空間しか割り当てられず、時には1つのベッドに2人が寝るという事態も生じるらしい。

 しかも一般の軍艦とは異なり、甲板で風に当たったり、体を動かしたり、喫煙でリラックスすることが不可能で、かつ敵艦に発見されないよう大声など大きな物音を立てることも禁じられる。

 このため、潜水艦部隊に所属する兵士は入隊前に必ず、狭い空間での生活に耐えられるかどうかを調べる心理テストを受けなければならない。しかし海軍関係者によると、こういった環境の中での長期生活に耐えられるようになるには何年もの訓練が必要だそうだ。徴兵制度で入隊したばかりの隊員は耐性が乏しいため、航海も終盤に差し掛かると躁うつ状態に陥る者もおり、上官は常に隊員の様子を注視しているという。

 このほか、潜水艦の長期航海にとって最大の試練は食事の問題だそうだ。冷蔵庫のほか、艦内各所に食糧を詰め込んで出航し、まず非冷蔵食、次に冷蔵庫の食材を消費していくが、最後には缶詰やレトルトパックに入った食品しか食べるものがなくなる。しかし、このころ乗組員は心身ともに疲労のピークにあるため、訓練最大の試練を迎えることになるという。

 なお航海中、水を節約するため体を洗えるのは数日に1回、しかも水量が制限される「戦闘浴」のみ。このため隊員たちは乗艦すればひげを剃ることはないそうだ。ただ帰港した際、迎えに来た家族が見分けがつかないため、訓練最終日に一斉に剃るという。