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遠隔地小学校が合同で卒業旅行、経費節約で憧れの台北を満喫


ニュース 社会 作成日:2013年12月10日_記事番号:T00047478

遠隔地小学校が合同で卒業旅行、経費節約で憧れの台北を満喫

 遠隔地にある小学校では生徒数が少ないため、卒業旅行を実施するとなれば1人当たりの単価が高くなる。またこうした学校の生徒の家庭は経済的に困窮している場合が多く、遠出することはさらに難しい。しかし、台湾最南端の恒春半島にある小学校・分校7校は、卒業旅行を合同で行うことにより経費を節約、台北まで足を伸ばし、生徒たちは本やテレビでしか見たことのなかった「大都会」を満喫した。

 今回の旅行に加わった7校の校長は、「卒業旅行は生徒にとって一生の思い出となるため、全員に経験させてやりたい」との思いで一致。しかも生徒たちが最も憧れる「台北旅行」を実現しようとアイデアを出し合った。

 その結果、2泊3日で1人当たり3,850台湾元(約1万3,500円)まで旅費を抑えることに成功した。しかし、それでも全生徒104人のうち半数は負担できなかったため、企業の奨学金を申請したり、学校の緊急用口座から資金を捻出し、ついに全員参加の台北行き卒業旅行実現にこぎつけた。

 合同旅行に加わった大平小学校の王錦裕校長によると、出発2カ月前にスケジュールが決まったと告げられた生徒たちは興奮状態に陥り、さっそくお小遣いの貯金計画を開始したという。

 そしてついに先週、台北へ向けて出発。都市交通システム(MRT)に乗ったり、台北101に上ったり、動物園でパンダを見たりとテレビでしか見たことのない世界を目にした生徒は「心臓が飛び出しそう」と興奮を隠せない様子だった。

 またある生徒は、「台北で働くお母さんが休みを取って一緒に動物園に行ってくれたことが一番うれしかった」と語った。

 旅行最終日の夜、引率した教師が生徒たちに「今回の夢のような卒業旅行が実現できたことに感謝の気持ちを忘れてはいけない」と言い聞かせたところ、子どもたちは家族や友達にお小遣いでお土産を買い込んだという。また祖母から手渡されたというお小遣いを「使わずに持って帰って返す」という生徒もいたそうだ。