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作成日:2008年1月4日_記事番号:T00004757
寒波で虱目魚が凍死、養殖業に大打撃
昨年末から台湾を襲っている寒波で、中部の虱目魚(サバヒー)が大打撃を受けている。身が白いことから英語でミルクフィッシュと呼ばれる虱目魚は、台湾では古くから親しまれている大衆魚で、身は淡白な味で小骨が多いため、すり身を団子にしてスープに入れたり、粥にして食べることが多い。虱目魚は低温に弱く、中南部の雲林、嘉義、台南、高雄県で養殖が行われている。
寒波の威力が最も強かった2日朝、嘉義県では7.3度とこの冬の最低気温を記録。この影響で約400ヘクタールの養殖池が寒害を受け、数十万斤(1斤は600グラム)の虱目魚に被害が出た。凍死した虱目魚は、地下水が使えない地区やハマグリとの混合養殖池に集中しており、漁民は寒波の中、養殖池底に沈んだ死体を網でさらい、死んだ魚による水質汚染を防ぐのに必死になっている。養殖業者の損失は少なく見積もっても100万元(約340万円)を超える見通しだ。
一方、雲林県でも2日早朝の気温は7~8度まで下がり、全体の1割に当たる約5万匹の虱目魚に被害が出た。一部の養殖池では2~3割が凍死する深刻な状況で、卸業者によると、凍死後に引き揚げられた虱目魚は、1斤20~25台湾元と、通常よりも10元前後安い値が付いているという。
養殖業者は24時間体制で養殖池の水温を上げたり、水中の溶存酸素量を増やすなどの緊急措置を取って対応しているが、寒波の影響でこのまま低温が続けば被害拡大は免れないもようだ。