ニュース 運輸 作成日:2013年12月17日_記事番号:T00047648
中華航空(チャイナエアライン)は16日、シンガポールの格安航空会社(LCC)、タイガー・エアウェイズと合弁によるLCC「台湾虎航(タイガーエア・タイワン)」を設立すると発表した。来年第4四半期の就航を目指す。本体に一定の影響はあるものの参入により利益拡大を見込む中華航空と、北東アジアに路線網を拡大したいタイガー側の思惑が一致した。17日付工商時報などが報じた。
合弁設立の契約書を取り交わし握手をする孫董事長(左2)と郭CEO(右2)(中華航空リリースより)
孫洪祥・中華航空董事長は、既存路線が台湾虎航によって影響を受ける割合について「約1割」という数字を挙げた。それでもLCCと従来型キャリアでは客層が異なること、LCC利用者の5割が新規客であること、LCCの市場シェアは限られていることから、利益を生む新たなビジネスになるとの判断から参入を決めた。
孫董事長によると、LCC参入は4〜5年前から検討していた。そして、中台間の路線網拡大や日本などとの航空自由化(オープンスカイ)協定の締結、LCCの認知度向上などにより市場環境が整備されたことで参入に踏み切ることにした。片道4~5時間で北東アジア、東南アジア、中国の各地に到達できる台湾の地理的条件はLCCビジネスに有利と見込んでいる。タイガー・エアウェイズとの合弁は、LCC経営のノウハウを導入するためだ。
日本就航の可能性も
台湾虎航の資本金は20億台湾元(約70億円)で、中華航空が90%を出資、タイガー側が10%で、ブランドや運営ノウハウなどを提供、3年後に出資比率を33%まで高める権利を留保する。初期段階ではエアバスA320型機3機を新規購入、3年後にはリースなどで12機体制を構築し、遅くとも3年以内の黒字転換を目指す。就航路線は未決定だが、孫董事長は北東アジア、東南アジア、香港、マカオ、発着枠が緩和される見込みのある中国の地方都市のいずれにも可能性があると語った。
タイガー、北東アジアに活路
タイガー・エアウェイズにとって中華航空との提携は、これまで就航していなかった日本、韓国の北東アジアの都市に、台湾を拠点に路線網を拡大できるメリットがある。
同社は東南アジア、オーストラリア市場で、スクートやジェットスター、エアアジアと激しい競争を繰り広げ、今年はフィリピン、インドネシアで赤字に陥っており、第3四半期にタイガーエア・オーストラリアの株式60%をバージン・オーストラリアに売却したことでようやく黒字を確保した情況だ。こうした中、中華航空との提携による新路線網の開拓は同社にとって必然の選択と言えるようだ。
「初のLCC」はどちらか
なお、台湾系LCCとしては、既に復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)が「全民航空(仮称)」設立を発表し、来年11月就航を目指しているが、名称を公募している関係上、まだ登記を行っていない。そのため、登記時期によっては台湾虎航が台湾初のLCCとなりそうだ。
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