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基隆のラバーダック、「商業化やり過ぎ」原作者が非難


ニュース 社会 作成日:2013年12月23日_記事番号:T00047737

基隆のラバーダック、「商業化やり過ぎ」原作者が非難

 高雄市と桃園県で一大ブームを巻き起こした巨大アヒルのオブジェクト「ラバーダック」の基隆港での展示が21日スタートした。しかし、同地での展示についてラバーダックを設計したオランダ人アーティスト、フロレンタイン・ホフマン氏は「過度に商業化しており、まるでサーカスのようだ」と批判する声明を発表。開幕式典への出席を拒否した。


基隆港のラバーダック。えい航した船のディーゼル油の廃棄物が付着して黒い線が浮き出ており、今後洗浄方法を検討する(23日=中央社) 

 ホフマン氏は「商業化」の一例として、台湾鉄路(台鉄)などで使用される電子マネーカードにラバーダックをデザインした商品を販売していることを挙げ、「ライセンスを付与しておらず、設計者の権利を侵害している」と非難した。

 このほか同氏が今年8月、家族とともに台湾を訪問した際、基隆での展示主催者は宿泊先としてモーテルを手配したことにも不満を表明。幼い子どもがテレビをつけた際、成人用のチャンネルが映ったという。

 同氏の批判に対し、ラバーダック誘致の発起人、黄景泰・基隆市議会議長は「非常に申し訳なく思う。オリジナル設計者の訴えは尊重する」とコメントした上で、今回の問題については主催チームの前責任者、范可欽氏との間でコミュニケーションが十分でなかったことが原因との考えを示した。

しかし当の范氏は、これまでの協議でホフマン氏が展示エリアで入場料を取ることに不満を表明したと認めた上で、「同氏は過去2回の展示で2,000万元近い権利金を手にしており、これを商業化と言わずして何を商業化というのか」と批判した。

 さらに「ホフマン氏は台湾でラバーダックの商標登録をしていない」と指摘しつつ、「黄色いアヒルのおもちゃのデザインは150年前から存在しており、人類共通の財産だ」と主張し、関連商品の販売に問題はないとの見方を示した。

 なお、モーテルでの宿泊についても「当初、長栄桂冠酒店(エバーグリーン・ローレル・ホテル)を用意したが、ホフマン氏側が『個性的なホテル』に泊まりたいと要望してきたため、(高級モーテルの)『薇閣精品旅館(We Go)』の写真を見せたところ気に入ったとのことだったので手配した」と反論した。

 范氏は開幕直前になってホフマン氏側の要求を受けて責任者を解任されており、どうやら「商業化」うんぬんというよりは両氏の関係がうまく行かなかったことが今回のトラブルの要因のようだ。

 ちなみに基隆での展示初日の人出は主催者が見込んでいた30万人を大きく下回る8万人にとどまっており、展示も3カ所目ともなるとさすがにブームも下火となりつつあるようだ。