ニュース 社会 作成日:2013年12月24日_記事番号:T00047766
最高検察署特捜部は23日、高等法院(高等裁判所)台中分院の裁判官、胡景彬被告(63歳)を収賄などの罪で起訴した。検察の調べによると胡被告は、3人の「妻」およびその間に設けた6人の子どもの名義で総額3億台湾元に上る出どころ不明な財産を築いており、捜査員は「史上最低の裁判官だ」と吐き捨てた。
胡被告の家からは多数の高級酒や美術品、現金2,000万元などが押収された(23日=中央社)
台湾大学法律系を卒業した胡被告は1979年に裁判官となったが、97年に高利で金を貸したなどとして起訴され、懲戒処分となり3年間の休職を命じられた。その後、00年に台南分院で復職、08年に台中分院に異動していた。
また被告は好色家だったようで、33年前に正妻と結婚しながら、単身赴任をきっかけに別の女性と同居、さらにほどなくしてもう1人の女性とも交際を始めた。3人の女性はそれぞれ被告との間に子どもをもうけており、1年の間に3人が同時に出産したこともあったという。
捜査によると10年、台中市内のホテルで経営権をめぐる訴訟が持ち上がった際、同裁判を担当した胡被告は3番目の「妻」を仲介者として経営者から賄賂を受け取り、その意向に沿う形で相手側に和解に応じるよう圧力を加えたとされる。
また特捜班によると、被告は密接な関係にある土地開発業者にも裁判で便宜を図るなど、ほかにも収賄に関わっていた疑いがある。
家族名義で保有している出どころが不明な資産3億元余りについて被告は「自分とは無関係」と主張しているが、被告の年収200万元余りと3人の妻とその家族計11人が支出した生活費を比較すると約1,400万元不足することが分っている。
この他、胡被告は他人名義で4台の携帯電話を保有していたが、その全てを3番目の妻が管理し、自分は公衆電話で連絡を取っていた。また外出の際も車を乗り換えたり、変装したりと捜査の手を逃れる策を講じており、捜査員は「まるでスパイのようだった」と語っている。
裁判官の判決は「社会正義の最後のとりで」とも言え、時に人の生死を左右する重いもの。司法の番人がこれほどまで堕落していたことに民間司法改革基金会(司改会)の林永頌・常務董事は「市民は司法の正義・公平に期待などできるだろうか」と嘆いている。
なお最高検察署は、既に司法関係者の汚職に関する専門チームを立ち上げており、胡被告の他にも少なからぬ裁判官が捜査の対象となっていることを明らかにした。
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