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銀聯カード、台湾の銀行も発行へ


ニュース 金融 作成日:2013年12月27日_記事番号:T00047879

銀聯カード、台湾の銀行も発行へ

 金融監督管理委員会(金管会)は26日、中台間の海峡両岸サービス貿易協定の発効後、最短1カ月以内に、中国の現金自動預け払い機(ATM)で現金を引き出したり加盟店で利用できる銀聯カードを、台湾の銀行が発行できるようになると発表した。銀聯カードがあれば、旅行、仕事、留学などで中国に行く際、現金を持ち歩いて紛失するリスクが減り、買い物の利便性、安全度が高まる。27日付工商時報が報じた。

 金管会は、銀行間資金決済ネットワークシステムの運営会社、財金資訊(FISC)に対し、台湾の金融機関発行のキャッシュカードが中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)のシステムを利用し、中国や海外のATMでの現金引き出しや残高照会、加盟店での支払いを行った取引データの通信、決済などを行うサービスの提供を認めた。

 金管会銀行局の張国銘副局長によると、FISCはユニオンペイと、1枚のカードが中台で使える「一卡両岸通」ネットワークの構築を協議している。中台サービス貿易協定が発効すれば、金管会が両岸金融投資・業務往来許可弁法の改正を発表し、ユニオンペイの台湾支社設立が認められ、台湾の銀行は銀聯カード発行を申請できるようになる。ユニオンペイ台湾支社は、コンサルティング、消費者教育、クレーム対応を行い、銀聯カード発行は当面できない。

 張副局長は、あらかじめ予備審査をしておけば、銀聯カード発行審査は数週間で済むと述べた。ただ、中台サービス貿易協定は今年6月に調印したものの、いまだ立法院での承認手続きが滞っている。

当面はクレジット機能なし

 銀聯カードは中国のATM53万台で現金引き出しが、特約店690万店で支払いができる他、世界各地の銀聯マークがあるATM108万台、特約店1,065万店(中台を除く)でも利用できる。

 張副局長は、台湾の金融機関発行の銀聯カードは当初、デビットカードのように口座残高の範囲内でのみ利用できるようにし、クレジットカード機能は持たせないと述べた。

 中国旅遊局の統計によると、台湾人の過去5年の中国での消費額は277億米ドルで、年間平均55億米ドルに上る。

台湾での利用、年々増加

 一方、台湾で銀聯カードは、2009年7月、10年1月から実店舗、オンラインショップで使えるようになり、10年5月からATMで現金引き出し、残高照会ができるようになった。

 10年の銀聯カード決済額は122億台湾元(約430億円)、ATMでの現金引き出しは49億元だったが、12年にそれぞれ459億元、453億元へと増え、今年は1~10月で494億元、549億元と昨年通年を早くも上回った。開放から10月末までの累計額は1,334億元、1,310億元だ。

【図】【表】