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基隆のラバーダック破裂、好天気があだに


ニュース 社会 作成日:2014年1月3日_記事番号:T00047883

基隆のラバーダック破裂、好天気があだに

 大みそかの正午ごろ、基隆港で展示されている巨大アヒルのオブジェクト「ラバーダック」に突然、8メートルに及ぶ巨大な裂け目が走り、一瞬にして海面に漂う布切れと化してしまった。衝撃的な場面を目の当たりにした見物客からは「ここまで来て年が越せないなんて」と悲痛な声が上がった。


市民が記念撮影で写したラバーダック破裂の決定的瞬間。多くの人が「惨事」の目撃者となった(31日=中央社)

 ラバーダックの「検視」が進められた結果、「気候の変化」と構造強化のために施した縫合部への安全ゴム塗装が原因と判明。実は展示開始以来、基隆市では10日間連続で曇天が続き、この日は11日目にして初めて太陽が顔を出していた。これにより、ラバーダック内の空気が暖められて急激に膨張し、さらにゴム塗装により水蒸気の「逃げ場」がなかったことで裂けてしまったようだ。

 昨年9月以降、台湾においてラバーダックは高雄、桃園、基隆と3カ所で公開されてきたが、破裂トラブルは桃園に続き2度目。また今回は新年を迎える直前の祝賀ムードの中での破裂だったこともあり、世界中のメディアが「お笑いニュース」として報じた。

 基隆のラバーダックは大至急、裂け目の縫い合わせ補修が進められ、3日午前に再びその勇姿を展示会場に現した。漫画「ブラックジャック」の主人公のように顔に傷跡が残ることも懸念されたが、ほとんど縫い目は見分けられなかった。

 さらに基隆港の展示では、船舶の燃料油などによる汚れが目立つといった問題も生じていたが、今回の補修をきっかけに汚れが念入りに洗い流され、新品同様の姿での再登場となった。

 今回のトラブルを受けてラバーダック誘致の発起人、黄景泰・基隆市議会議長は「失敗にくじけない台湾精神を見せる良い機会だった」と強調した。

 なお、二度と裂けることのないよう、ラバーダックの頭頂部と尾の部分に排気設備が、体内にも送風機が設けられた。