ニュース 電子 作成日:2014年1月6日_記事番号:T00047937
液晶パネル大手、友達光電(AUO)が昨年末、香港の高等法院に対し、中国の家電大手、TCL集団と傘下のパネルメーカー、深圳市華星光電技術(CSOT)などに特許6項目を侵害されたとして、侵害行為の差し止め命令と損害賠償を求めて提訴した。2011年にCSOTに引き抜かれ、AUOの営業秘密を漏えいした疑いで昨年6月に起訴されたAUO元幹部2人も被告に含まれる。中国本土で訴訟を起こしても勝ち目はないため香港で提訴し、中国以外では特許侵害を許さない強い態度を見せた。6日付経済日報が報じた。
AUOのディスプレイ開発センターの主管だった連水池氏と有機EL(OLED)技術処経理だった王宜凡氏は2011年9月、家業を継ぐとの理由で離職したが、その後すぐにTCL集団の工業研究院副院長、CSOTのアクティブマトリックス型有機EL(AMOLED)開発部部長に就任したことが発覚。AUOは両氏が使用していたパソコンを調べて重要データの流出を確認し、法務部調査局に通報した。12年10月には新竹地方法院検察署(新竹地検)が捜査に着手し、昨年6月に両氏を営業秘密漏えいの罪で起訴した。
業界関係者は、CSOTのエンジニアはAUO出身者が多く、パネル製造装置の配置もAUOと似ており、製品の規格や使用材料はAUOの後追いだと指摘した。
賠償額、100億元以上か
AUO広報は5日、本件はパネルメーカー同士の営業秘密問題が引き起こしたもので、株主の権益保護と長期的発展を視野に提訴に踏み切ったと説明。訴訟中のため詳細はコメントできないとした。
AUOは賠償請求額を明らかにしていない。ただ、新竹地検が昨年6月に連、王の両氏を起訴した際、同社は損失が100億台湾元(約350億円)を超えるとしていた。
被告は他に▽香港上場のテレビ生産販売、TCL多媒体科技(TCLマルチメディア・テクノロジー)▽華星光電国際(香港)▽深圳市TCL高新技術開発▽侯鴻龍氏▽許宗義氏▽賀成明氏──。
TCL、調達打ち切りを示唆
一方、TCLマルチメディアは、業界内で特許訴訟はよくあることで、単なる宣伝手段との見方もあると説明。TCLはAUOからパネルの3分の1を調達しており、AUOの態度が目に余れば発注を打ち切ってもよいが、困るのはAUOの方だと指摘した。
中国での特許侵害は深刻だ。しかし、パネルは中国の重点産業に位置付けられ、AUOが中国でTCLとCSOTを提訴しても勝ち目はない。ただ、中国のテレビ市場が飽和状態に近付く中、中国メーカーは輸出に力を入れ始めており、AUOは中国以外で特許侵害を見付け次第提訴することで、長年の研究開発(R&D)の努力を守り、特許ライセンス収入を勝ち取る考えのようだ。
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