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ラバーダック海賊版現る、公式展示の早期打ち切りも


ニュース 社会 作成日:2014年1月7日_記事番号:T00047940

ラバーダック海賊版現る、公式展示の早期打ち切りも

 現在、基隆港で展示されている巨大アヒルのオブジェクト「ラバーダック」は、これまで関連グッズの販売をめぐる原作者とイベント主催者の衝突や、「体内」の空気膨張による破裂などトラブルが続いているが、傷も治った上、最近は好天が続き、見物客の数も順調に伸び始めている。しかし、やっと落ち着いたところでまたもや新たな騒動が持ち上がった。ラバーダックが浮かぶすぐそば、基隆港の東側埠頭(ふとう)に海賊版ラバーダックが出現したのだ。


鈺盛国際が設置した「海賊版」の夢想鴨。同社は7日、騒動を受けて「サイズについては再検討する」と表明したものの、大型版設置は諦めていない様子だ(7日=中央社) 

 海賊版の大きさは約6メートルで「本物」の18メートルの3分の1だが、見た目はほとんど同じ。これを設置したのは基隆港の東3、4碼頭を屋台などの出店場所として借り受けている業者、鈺盛国際で、同社はさらに18メートル版の製作も計画しているそうだ。

 これを知ったオリジナル設計者のオランダ人アーティスト、フロレンタイン・ホフマン氏は「実際に同じ高さのものが作られた場合、基隆港での展示を前倒しで打ち切ることを検討する」とご立腹だ。このためラバーダック誘致の発起人、黄景泰・基隆市議会議長は基隆港務分公司および鈺盛国際に対し、知的財産権の侵害行為をやめるよう呼び掛けた。

 なお基隆港でのラバーダック展示は当初、360度どこでも正面からの姿を鑑賞できるよう、回転する台座の上に設置する計画だったが、直前になってホフマン氏が「余分なものは付け加えるべきではない」と主張して台座の取り付けが中止された。

 その結果、鈺盛国際が借り受けた東埠頭からはラバーダックの後ろ姿しか見られなくなっており、この状況への反発が海賊版製作の背景となっている。このため同社は「ラバーダックはインスタレーション(空間芸術)であり、水中に浮かんでいるホフマン氏の作品と当社のものは全く異なる」と強弁。「知的財産権を侵害しているつもりはない」として今月中旬にも18メートル版を完成させたいとコメントした。

 同じく期待を裏切られた形の東埠頭に店を出す露天商からは鈺盛国際を支持する声が上がっているが、港務分公司は「18メートル版が出現すればイベント自体が打ち切りとなる可能性があるため、業者は耐えてほしい」となだめている。