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スーパー最大手・全聯、「台湾流通の父」を総裁に


ニュース 商業・サービス 作成日:2014年1月7日_記事番号:T00047964

スーパー最大手・全聯、「台湾流通の父」を総裁に

 スーパーマーケット最大手、全聯福利中心(Pxマート)は6日、コンビニエンスストア最大手、「セブン-イレブン」の台湾での発展を支えた徐重仁・元統一超商(プレジデント・チェーンストア)総経理を今月1日付で総裁に迎えたと発表した。徐総裁はセブン-イレブンの成功により「台湾流通業界の父」と呼ばれる人物で、全聯を世界一流のスーパーに成長させる役割が期待されている。7日付工商時報などが報じた。


林董事長(右)とともに会見に臨んだ徐総裁(左)は、スーパーに携わることは長年の夢で、ようやく実現したと語った(6日=中央社)

 今年66歳の徐総裁は1977年に日本の早稲田大学大学院商業研究科で流通経済学修士を取得後、統一企業(ユニプレジデント)に入社。統一超商の創設に携わり、80年にセブン-イレブンを台湾に導入して、コンビニ最大手へと成長させた立役者となった。12年6月に統一超商総経理を退任した後は商業発展研究院(CDRI)董事長を務めていた。

 林敏雄・全聯董事長は徐総裁を「最も尊敬する人物」とたたえ、長年全聯に来てもらいたかったが、統一超商在職中は恐れ多くて声を掛けられなかったと説明。退任後はすぐにアプローチし、度重なる要請の末にようやく就任を了承してくれたと経緯を明かした。

20年売上高、2千億元目指す

 記者会見の席で徐総裁は今後の目標について、店舗数は17年には1,000店(現在690店舗)、売上高は20年に2,000億台湾元(約7,000億円、13年は690億元予測)を掲げた。これは古巣、統一超商の13年見通し(2,100億元)に迫る額だ。今後は統一超商で培ったノウハウを全聯にも生かし、新形態店舗の投入や快適な購入環境の整備を進め、安心で新鮮な商品を提供していくと抱負を語った。化粧品や生活雑貨の強化を図る他、統一超商で成功したインターネット販売も視野に入れる。

最終目標は「小売トップ

 全聯はスーパー業界では最大手で、量販店の家楽福(カルフール)、大潤発(RTマート)の売上高を上回り、小売業界全体でセブン-イレブンに次ぐ2位に躍進した。そのため、記者会見でも「ライバルはセブン-イレブンか」との質問が挙がったが、徐総裁は利便性を追求したコンビニは▽取扱商品、2,000~3,000品目▽主要顧客、個人▽平均客単価、約75元──に対し、スーパーは▽取扱商品、1万品目以上▽主要顧客、ファミリー▽平均客単価、約250元──と大きな違いがあり、スーパーとコンビニは競争関係になく、挑戦相手は顧客だと強調した。ただ、最終目標は小売業トップに立つことだと述べた。

 一方小売業界の今後の展望については、日本の量販店需要の低迷を例に挙げ、高齢化や少子化が進む中、量販店の多くが交通の便が悪く自動車でなければ行けないことや、大量の買い物を歓迎する発想など、顧客の需要に合致しない部分が出てきたが、スーパーは地域に密着していて今後台湾では最も発展する小売形態になるとの見解を示した。

【表】