ニュース 電子 作成日:2014年1月9日_記事番号:T00048020
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)の高雄K7工場の一部が違法排水で昨年12月20日から操業停止処分となる中、IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)は8日、出荷が滞らないよう、同工場への発注を矽品精密工業(SPIL)に全て切り替えたことを明らかにした。ASEの大口顧客による発注先変更が確認されたのは初めて。証券会社は、最大顧客のクアルコムもリスク分散のためSPILへの発注増を検討していると指摘した。9日付経済日報などが報じた。
メディアテックの謝清江総経理は米ラスベガスで7~10日に開催中の家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でメディアのインタビューに対し、ASE高雄K7工場の事件が発覚した後にSPILへ発注先を変更したと認めた。詳細は明かさなかった。
メディアテックは中国で携帯電話用チップの販売が予想以上に好調で、納品に影響が出ないようSPILに依頼したとみられる。
メディアテックはもともとSPILに一部製品を発注していたので、今回は認証の必要がない。一方、クアルコムは早急にSPILに発注を移すため、関連製品の認証を急いでいる最中のようだ。
SPIL、春節連休返上
証券会社は、SPILはハイエンドで粗利益率の高い製品ばかりを選んで受注し、非需要期で空いている生産ラインでこなしていると指摘。設備稼働率が大幅に上昇し、第1四半期の売上高は月60億台湾元(約210億円)以上を保つと予測した。今月末から始まる春節(旧正月)連休期間も生産ラインを全面稼働し生産を急ぐとみられる。
SPILは、ASE事件を受けて主な顧客から自社の生産能力を確認するよう求められ、協力する考えはあると表明。受注状況は公表できないと説明した。
ASEは、受注動向はコメントできないが、できるだけ早く高雄K7工場の操業を再開し、自社の損失を最低限に抑えたいと強調した。
4G時代、米国市場に照準
メディアテックはCESで初めて第4世代移動通信規格(4G)チップを発表した。謝総経理は、4Gカバー率が5割に上る世界最大の米国市場に挑戦すると述べた。米国市場はまず認証を得ないと受注できない仕組みで、顧客となるのは国際企業ばかりなので、必ず攻略しなければならないと説明した。現在、認証を進めている最中で、今年末にはマルチモード(CDMA2000など6つの無線通信規格に対応)4Gチップを発売する計画だ。マルチモードの技術があるのはメディアテックの他、クアルコムだけだ。
中国市場の春節に向けた在庫積み増しで、メディアテックは8日発表した昨年12月の連結売上高が130億8,800万元で前月比2.1%増だった。昨年第4四半期は397億9,800万元で過去最高、前期比で2%増加した。昨年通年は1,360億5,600万元で前年比37.1%増だった。
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