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台湾への投資意欲、過去最低に=米国商会


ニュース その他分野 作成日:2014年1月10日_記事番号:T00048047

台湾への投資意欲、過去最低に=米国商会

 台湾に進出する米国企業で構成する台北市米国商会(商工会議所)は9日、「2014年商業景気調査リポート」を発表し、「今後5年の台湾景気を楽観している」との回答が54%となり、11年の81%から年々低下していることが分かった。「今年投資を大幅に増やしたい」との回答も過去最低の7%に落ち込み、米国企業にとって投資先としての魅力が薄れてきていることが明らかとなった。10日付工商時報が報じた。

 同調査は2011年から毎年実施しており、今年は同商会の監事選挙権を持つ董事長や執行長423人のうち、52%に当たる220人から回答を得た。

景気低迷懸念、61%に上昇

 景気を楽観する見方が減る一方、「景気低迷を懸念している」との回答は61%に上り、2年連続で上昇した。なお、中国(37%)や米国(34%)、欧州(25%)景気への懸念の見方は台湾を大きく下回り、減少傾向にある。また、台湾ビジネスの足を引っ張る要因として、「行政効率の悪さ」という回答が最も多かった。以下は順に▽法律解釈の矛盾(前年同)▽市場需要の変化(同1位)▽法律適用の矛盾(初)▽不適切・時代遅れな法律(同4位)──など。

「TPPのほか道なし」

 フォード車生産・販売の福特六和汽車の総裁でもあるトーマス・ファン台北市米国商会長は、台湾はライバルの中国や韓国に比べ存在感が低下していると指摘。台湾経済・貿易の発展には政府が目標に掲げる市場開放を進めることが重要で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加しか道はないと強調した。米国企業の8割が台湾の参加を支持しており、官民挙げてTPP参加に向けた取り組みを行うべきだと語った。

 ファン会長は、台湾政府が「信頼性」を世界に示すことの必要性も訴えた。米国産牛肉に対する一定程度の成長促進剤の残留を認めた輸入規制緩和や、現在立法院の承認待ちとなっている中台サービス貿易協定などを例に挙げ、ここ数年台湾政府は約束した協定がなかなか実行に移されず、コンセンサスをまとめられない政府の能力を疑問視する声が上がっていると指摘。台湾がTPPや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に加盟したければ、約束の実行は必須で、さもなければ海外から市場開放への姿勢は疑問視されることが続くと警鐘を鳴らした。 

【図】