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ドキュメンタリー映画に感銘、無職男性が無料で上映会


ニュース 社会 作成日:2014年1月13日_記事番号:T00048049

ドキュメンタリー映画に感銘、無職男性が無料で上映会

 昨年11月末に台湾で公開された、殺処分される運命にある動物収容所の動物たちを追ったドキュメンタリー映画『十二夜』は、見る者に「何かしなければ」という気持ちにさせる作品となっている。ただ、多くの人は時間の経過とともに見終わった当初の感動を忘れ、結局何もせずに時間を過ごすことになるものだ。しかし、ある男性はどうしてもこの作品のことが頭から離れず、多くの人に観賞してもらおうと思い立ち、無職にもかかわらず自費で映画館を貸し切って無料上映会を決行した。

 台湾では毎年10万匹近いイヌが捨てられ、野良犬となって最終的に収容所へと送られる。そして12日間のうちに引き取り手が見つからなかった場合、殺処分されることになる。

 こうした現状に心を痛めたRaye映画監督が、『十二夜』の制作資金を募るため映画のプロットをインターネット上で公開したところ人気作家で映画監督の経験もある九把刀(ギデンズ・コー)氏の目に止まり、資金提供を受けるとともに作品のプロデューサーに就任してもらえることとなった。

 こうして公開にこぎつけた『十二夜』は多くの観賞者の感動を呼んでいるが、曽英瑞さん(28)もその1人。彼は映画を見て強い衝撃を受け、実際に動物収容所を訪れて「この動物たちのために何ができるだろう」と考えたそうだ。

 その結果、自費で映画館を貸し切り、多くの人に『十二夜』を見てもらおうと思い立った。さっそくこの計画を昨年12月21日に桃園県で決行するとフェイスブック上で発表したところ、情報がネット上に広がり、当日は200人の観客が集まった。

 さらにこの上映会で曽さんは観客にお年玉袋を配布。「映画を見て感動した人はチケット代を入れて、他の人にも見せてあげてほしい」と呼び掛けたところ、3万台湾元分が集まった。この資金を基に1月4日に第2回上映会を実施。ここでも150人が鑑賞し、2万元が集まった。

 映画館を貸し切るには5万元が必要となるため、無職の曽さんにとって大きな出費となる。このため家族からは「偽善だ」などと反対されているようだ。しかし、彼はこれにめげず高雄、台北での上映会も計画している。