ニュース 社会 作成日:2014年1月16日_記事番号:T00048133
南部一の名門大学、成功大学(台南市東区)の校務会は15日、キャンパス内に新たに造成した広場の名称を「南榕広場」とする、学生サークル連合会の投票結果を採用せず、広場に何の名称も付けないことを70対21の多数決で決めた。「南榕」とは1989年4月、台湾独立を主張して反乱罪に問われ、身柄を拘束しようとする警察に抵抗して焼身自殺を遂げた民主運動家、鄭南榕氏のことで、ある教授は「自殺という過激な手段に疑問がある」と説明したが、政治的過ぎるとの判断が理由のようだ。
学生会はフェイスブックに、「南榕」と同じ発音の「難容?(受け入れ難いのか?)」の文字を並べて大学側に抗議した(成功大学生会FBより)
大学側は昨年11月、新広場の名称選定をサークル連合会に委任していた。連合会が学生たちに呼び掛けて投票を行った結果、「南榕広場」が3,000票のうち900票を集めて1位になった。しかしこの結果に対し大学側は、「投票結果は校務会の承認を得なければならない」と表明。学生たちの間で「大学は『南榕』の名称を受け入れないつもりだ」とのうわさが広まった。大学側への反発から先週、同大「光復校区」で看板の「光復」の2文字が突然なくなり、犯人を自称する者がインターネット上で「『脱政治化』を目指す大学の方針を尊重した」と皮肉る事件も起きていた。全土各地の道路名でもよく使われる「光復」は「領土回復」を意味し、「共産党からの中国大陸光復」など、国民党の代表的な政治スローガンとして知られる。
何の名称も付けないという不自然な決定にについて黄煌輝学長は、「皆が呼びたい名前で呼べばよい。『煌輝広場』と呼んでもOKだ」と苦しい弁明を行った。同大学生会の張書睿権益部長は「大学側は恥じ知らずだ」と批判、「学生たちは『南榕広場』に決めており、今後サークル活動などでこの名称を使っていく」と表明した。このため「南榕広場」が自然に定着するかもしれない。
ちなみに台南市では一昨年、鄭南榕氏が自殺した4月7日を「言論の自由の日」とすることを決めた。鄭南榕氏が政治雑誌の出版社を構えていた台北市民権東路三段裏の路地は「自由巷」と命名され、一昨年8月には郝龍斌台北市長も参加してプレートの除幕式が行われている。大学側の決定は「独立支持」を見なされることを嫌ったためだろうが、やや腰が引けた印象がぬぐえない。
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