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復興航空のLCC「Vエアー」に、早ければ9月就航


ニュース 運輸 作成日:2014年1月24日_記事番号:T00048326

復興航空のLCC「Vエアー」に、早ければ9月就航

 復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)は23日、現在就航に向けて準備を進めている傘下の格安航空会社(LCC)の名称が「威航空(Vエアー)」に決定したと発表した。同社は昨年11月のLCC参入表明時に名称を公募しており、8,000件近くの応募の中から選出した。同社は中国語名、英語名ともに短く覚えやすいため、海外からの利用拡大にも一役買うと期待している。24日付経済日報などが報じた。

 復興航空は、名称決定には7時間が費やされるほど難航したが、「V」から始まる▽Voyage(旅)▽Vision(将来像)▽Vivid(躍動的な)▽Victory(勝利)──など市場参入時に重要な前向きな意味を持つ言葉や、「Vサイン」があるため、乗客に受け入れられやすいことが決め手になったと説明した。また、偶然にも同社の林明昇董事長の英語名も「Vincent」だという。

10年間無料搭乗贈呈

 同社は募集の際に中国語名、英語名を合わせて募集していたが、最終的には中国語名は30代の女性、英語名は40代の男性からと別々の応募者からの名称を採用した。今回命名者には「Vエアー10年間無料搭乗」の特典が贈呈される。命名者に決まった2人はたまたま「黄さん」と同姓で、2人とも採用決定の電話を受けた際には「詐欺だと思った」そうだ。

 女性の黄さんは募集の知らせを見て「台湾初の航空会社ということで『威風』がある」ことから「威航空」がひらめいたという。一方男性の黄さんは写真撮影時の「Vサイン」が頭に浮かんだと説明。台湾人はVサインが好きなことに加え、国際的なサインでもあり、外国人にも理解されやすいことを理由に挙げた。

「台湾初」の行方は?

 現在台湾には多くのLCCが乗り入れているものの、台湾資本のLCCはまだ運航していない。復興航空以外では、中華航空(チャイナエアライン)がシンガポールのLCC、タイガー・エアウェイズと合弁で「台湾虎航(タイガーエア・タイワン)」の設立を決めている。両社は「台湾初のLCC」を目指し準備を急いでいる。復興航空のVエアーは既に交通部の設立許可を取得し、交通部民用航空局(民航局)の飛行安全に関する5段階審査に入っており、設立許可申請中の中華航空の台湾虎航を一歩リードしている。

 Vエアーは今後4月までにロゴや機体、制服などのデザインを決める他、第2四半期に執行長(CEO)を決定し、乗組員60人を募集する。遅くとも年末までには就航できる見通しだが、9月への前倒しを目指している。初年度は2~3機体制で、桃園国際空港を起点に、日本、韓国、シンガポール、タイ、マレーシアなど就航時間が5時間以内の航空自由化(オープンスカイ)政策を既に取っている地域への就航を優先していく。

 なお、UBS証券のアナリストは「LCCは保有機体が20機ほどで軌道に乗るが、少なくとも3年はかかる」と指摘し、初期は復興航空、中華航空の業績に貢献するのは難しいとの見方を示した。

【表】