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「年貨大街」の学生アルバイト、劣悪な労働条件明らかに


ニュース 社会 作成日:2014年1月29日_記事番号:T00048386

「年貨大街」の学生アルバイト、劣悪な労働条件明らかに

 春節(旧正月)を間近に控え、台北市の迪化街など問屋街では年貨(春節用品・食材など)の販売セール「年貨大街」が開催されており、多くの客でにぎわっている。年に一度の稼ぎ時到来に各商店では大勢の学生アルバイトを雇って対応しているが、蘋果日報の覆面取材により、これら店員が違法な労働条件で働かされている実態が明らかとなった。

 蘋果日報はこのほど、数名の若い記者を迪化街に派遣し、「年貨大街」のアルバイトに応募させた。多くの商店で学生のみの募集となっており、記者も学生だと偽ることでようやく採用が決まった。ちなみに年貨大街で働く店員の半数以上が高校生だったという。

 なお、ある外見が中性的な女性記者は、「うちは女の子しか募集していない」と性別工作平等法(男女雇用機会均等法に相当)を無視した言葉を投げ付けられたそうだ。

 実際に採用された記者に提示された条件は、午前9時〜午後11時の勤務で日給1,300台湾元。これは法律で規定された最長労働時間12時間を超えている上、報酬も時給にして約93元となり、法定最低賃金の同115元を大きく下回っていた。

 アルバイト店員の仕事内容は、新入りの場合は商品の品出しから始まり、慣れてくると接客販売を任されるようになる。しかし、客が多過ぎて販売を担当する店員は交代で休憩を取ることもできず、長時間立ちっぱなしのため、極度に疲労がたまり、多くの店員は翌日から姿を見せなくなるという。なお、途中で辞めた店員に対しては罰金として30%の給与カットを行っている店もあるようだ。

 こうした現状に対し台北市政府労動局は、「時給が最低賃金に満たない、または1日12時間以上勤務させた場合は労働基準法違反で2万〜30万元の罰金、性別工作平等法違反の場合は10万〜50万元の罰金が科せられる」と警告している。