ニュース 電子 作成日:2014年2月11日_記事番号:T00048550
宏達国際電子(HTC)が10日発表した1月売上高は96億7,000万台湾元(約330億円)で、5年ぶりに100億元を下回った。これにより第1四半期の赤字計上が早くも確実となった。同社はハイエンドの旗艦機種や中低価格機種を3月より発売して第2四半期以降の業績回復を狙うが、競争の激しいアンドロイドOS(基本ソフト)市場で製品の明確な差別化ができておらず、今年も明るい展望は描きにくい。11日付経済日報などが報じた。
1月の減収幅は前月比22.2%、前年同月比37.75%で、非需要期でスマートフォンの新旧入れ替え時期に当たったことが響いた。インターネットを通じて行った業績説明会で張嘉臨財務長は、2月は営業日数が少ないため売上高がさらに落ち込み、第1四半期は売上高340億~360億元、1株当たり純損失2.1~2.6元で、3四半期連続で最終赤字を計上する見通しだと説明した。同社は四半期ベースでの利益計上には400億元の売上高が必要とされる。
張財務長は一方、3月より新機種を相次いで発売するため、第2四半期以降は業績が回復するとの展望を示した。旗艦機種「M8」を近く発表する他、中価格帯製品のラインアップ充実を図っており、ロー~ミドルエンド機種とローエンドのLTE機種が業績を押し上げると指摘した。中国、インド、ロシア、中東市場で販売する第3世代移動通信(3G)入門モデルも収益貢献を始めると語った。
中国で1千元製品投入
また、今年は中国市場で販売価格1,000人民元台(約1万7,000円)の製品を投入すると表明した。中国の通信キャリアに今年の商品展開を説明したところ「正しい戦略」と評価されたという。
HTCは昨年、部品不足から旗艦機種「新HTC One」の市場投入が遅れ販売に影響が出たが、張財務長は、今年は新製品を発表後最短10日で店頭に並べることができ、品不足は改善されると強調した。
この他、同社を相手に特許侵害訴訟を起していたノキアに対し和解で支払う権利金が財務状況に与える影響については、「重大な影響はない」と述べるにとどまった。
当面の好転は困難
ただ、HTCの業績見通しについて外資系証券会社の多くは否定的な見方だ。ハイエンド市場ではアップルとサムスン電子の寡占状態に食い込むことは難しく、中低価格機種には多くのライバルがいるため、業績への著しい貢献はあり得ないとみている。HTCは今年通年で3億3,900万元の利益計上を見込むが、CIMB証券(香港)では、赤字は来年まで続くとの見方だ。
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