ニュース 社会 作成日:2014年2月17日_記事番号:T00048636
医学部の学生が医療現場において患者を目の前にした際の対応力、コミュニケーション力を高めるための実習用に、米国で1960年代に始まった患者を演じる「標準模擬患者(SP)」の導入が台湾でも普及しつつあり、現在約1,300人の「ニセ患者」が育成されている。
蘋果日報の記者がこのほど、台湾大学医学系で実施されている模擬患者を使った実習授業の取材に訪れたところ、教室では医師役の学生に模擬患者の「診断が間違っている」「あんたの腕じゃ心配だ。ベテランの医者を呼べ」などと詰め寄る、実際の診察室さながらの光景が再現されていた。
この時、医師役を担当した学生は「病院は最良のチームで治療に当たります」などと諭して患者を落ち着かせ、担当教官から「まずまずの対応ができており、十分に職責が果たせる」との評価を受けた。
ただ、あるベテラン模擬患者によると、これまでの実習では肛門の診察が必要な患者役に対し、事前説明を忘れていきなりズボンを脱がせた学生や、緊張のあまり子宮外妊娠患者役に「性行為の経験はありますか」と質問した学生もいたそうだ。
今回の医師役学生は「初めて模擬患者を使った実習を受けた時はどう対応してよいか分からなかったが、訓練を受けるうちに自信がついてきた」と語る。
こうした成果を重く見た政府は、昨年から医師の国家試験に診察シミュレーション演習を組み込み、これに合格しなければ医師資格を取得することはできなくなっている。
なお未来の医師を育てることに重要な役割を果たしている模擬患者。米国などでは俳優が務めることもあるそうだが、台湾ではほとんどが病院で活動するボランティアがその重責を担っている。
台湾標準化病人協会(台湾標準模擬患者協会)によると、模擬患者となるには基礎的な医学知識習得、演技の訓練など1〜2日間の研修を受けた後、実際の実習に参加する前に約10日間、台本に基づく稽古を行うそうだ。なお、07年に設置された花蓮慈済医院の標準模擬患者センターでは、映画監督やプロの俳優を講師に招いた訓練も実施しているそうで、より真に迫るニセ患者の育成に努めている。
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