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連戦・習近平会談、中台首脳会談に言及


ニュース 政治 作成日:2014年2月19日_記事番号:T00048694

連戦・習近平会談、中台首脳会談に言及

 中国を訪問している国民党の連戦名誉主席は18日、北京の釣魚台国賓館(迎賓館)で中国の習近平国家主席と会談した。習主席は先日の王郁琦・台湾行政院大陸委員会(陸委会)主任委員と張志軍・中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)主任による会談で、台湾の馬英九総統と習主席による中台首脳会談の実現問題が議題に上ったことに自身から触れ、連名誉主席の見解を求めた。連名誉主席は「実現を楽観している。首脳同士の会談には準備作業がとても重要だ」と応じた。19日付聯合報が伝えた。


連名誉主席(左)は「台湾は中華民族の再興において積極的な役割を果たしたい」と習主席に呼び掛けた(18日=中央社)

 連名誉主席は会談で、「現実を踏まえた態度で中華民国が存在していることを注視すべきだ。中華民国は両岸(中台)にとって資産であり、負債ではない」と強調。また、「両岸には1992年の共通認識(92共識)という基礎があるが、『一つの中国』の意味合いには見解の相違がある、対立点を棚上げし、共通点を見つける前提の下で、『一つの中国』という枠組みの意味について相互信頼を築き、徐々に政治的対立を解消していくべきだ」と主張した。

 習主席はこれに対し、「両岸間に役立つことであれば、何でも取り上げて話し合うことができる」と応じた。

習主席が「4つの原則」

 習主席は中台関係の発展に向けて4つの原則を挙げ、将来的な中台統一に意欲を示した。

 習主席はまず、「両岸は親戚関係にあり、その血筋は誰も断ち切ることはできない」と主張。第二に、「両岸はまだ統一されていないが、一つの国家に属しており、一つの民族に属しているという事実は変わっておらず、変わることもない」と指摘した。

 第三に「両岸は『92共識』を堅持し、台湾独立に反対しながら、一つの中国という枠組みを守るという共通認識を深め、両岸関係のいかりとすべきだ」と述べた。

 その上で、習主席は最後に、「両岸は共に中華民族の偉大な復興という夢を成し遂げるべきだ」と呼び掛けた。

見解の相違大きく

 今回の連戦・習近平会談では、中台関係の将来について従来からさらに踏み込んだ協議はなかったと言える。

 中国としては、中台対話の重点を経済面から政治面へと徐々にシフトさせていきたい構えだが、連名誉主席の発言にも表れているように、台湾側が中華民国の存在をとりわけ強調している限り、「一つの中国」をめぐる見解の相違が容易に埋まるとは考えにくい。

 中台首脳会談が実現するとすれば、中台関係で統一に向けた政治的決着に向けて何らかの突破口が開かれるものでなければならないが、双方の原則論がぶつかる現状に有効な打開策がないことも事実だ。