華碩電脳(ASUS)の施崇棠董事長は米国の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、次世代高速無線通信規格WiMAX(ワイマックス)対応のノートブック型パソコン(ノートPC)を、第2四半期に北米市場に投入すると語った。999米ドルの低価格で、2008年は100万台の販売を目標とする。インテル、および通信設備大手のスプリント・ネクステルとの提携で同市場の拡大を図りつつ、製品の普及に努める。超小型ノートPC、Eee PCのWiMAX対応モデルも、同じ第2四半期に投入する。9日付蘋果日報などが報じた。
サービス開始に合わせ発売
WiMAXサービスで北米最大手であるスプリント・ネクステルは、今年4~5月にサービスを開始する予定で、華碩はこれに合わせて、インテルの超小型ノートPC(UMPC)向けプラットフォーム「メンロー」搭載のWiMAX対応ノートPCを、3機種発売する。
施董事長は、999米ドルという価格設定について、「当社のノートPCの平均価格よりも低い。ブランドPCメーカーにとり、北米市場は開拓が難しいため低価格にした」と語った。
EeePCにも拡大
また、WiMAX対応の新型EeePCも第2四半期に発売し、パソコンをあまり使わない顧客層の開拓を狙う。ディスプレイは7~8インチと8.9インチで、OSはマイクロソフトのウインドウズXPを採用する。
華碩は今年のノートPCの目標販売台数を720万台としており、このうちの15%をWiMAX対応とする計画のため、約108万台のWiMAX対応機の販売を目指していることになる。
米国は試金石
韓国では世界に先がけて06年、商用サービスとして韓国版モバイルWiMAXサービス「WiBro(WiMAXベースで韓国で採用されている技術)」をスタート。昨年のCESではLG電子が、WiMAXをオプションで利用可能なノートPCを出展した。
日本では昨年10月、KDDI、ソフトバンク、NTTドコモ、ウィルコムなどが事業免許を申請、1~2年以内にWiMAXサービスが開始となる予定だ。台湾では10年までのサービス開始が予定されており、スプリント・ネクステルの予測によると、09年の段階で、世界のコンピュ-ターユーザーの20%がWiMAXを通じたインターネット利用を体験するという。
ネットワーク構築が低コストで済むため、新興国でも導入が見込まれており、WiMAXは世界的な広がりが期待されている。当然、対応ノートPCの商機も大きく、華碩にとっては北米市場のユーザーの反応が最初の試金石となりそうだ。