ニュース その他分野 作成日:2014年2月19日_記事番号:T00048716
行政院主計総処は18日、今年の台湾域内総生産(GDP)成長率の予測値を2.82%へと0.23ポイント上方修正した。今年も3%に届かず、3年連続で世界経済の成長率を下回る見通しだ。中国の電子部品業界による海外大手・中国国内ブランドへの製品供給拡大が、台湾企業の商機を奪い、輸出成長を阻む大きな要素となっている。19日付工商時報などが報じた。
台湾の経済成長率は2007年までは大体4〜6%で、金融危機の落ち込みとその反動が終わった11年でも4.19%あった。しかし12年は1.48%、13年2.11%といずれも世界平均を下回る低い伸びにとどまった。
今回の経済成長率予測の上方修正は、主力の輸出の成長見通しよりも、個人消費の成長率予測値を2.44%へと0.72ポイント引き上げた要素が大きい。昨年第1〜3四半期、上場企業の純利益が前年同期比で5割増となり、台湾積体電路製造(TSMC)や裕隆企業集団、富邦金融控股などの大手企業が賃上げに積極的な姿勢を見せていることから、個人所得が増え消費が伸びる好循環が生まれると判断した。
一方、輸出成長率の予測値は3.33%と、上方修正幅は0.26ポイントにとどまった。これについて主計総処の担当者は、▽国際通貨基金(IMF)が今年の世界貿易量成長率の予測値を4.5%へと前回から0.5ポイント下方修正したこと▽中国サプライチェーンの勢力拡大──を加味したと説明した。
なお、世界および各主要国・地域の今年の経済成長率は、米グローバルインサイトなどによると▽世界、3.3%▽先進国、2.1%▽新興国、5.1%▽米国、2.7%▽欧州連合(EU)、1.5%▽日本、1.8%▽中国、7.8%──との予測だ。台湾の経済成長率は先進国よりは高いが中国や新興国と比べると見劣りする。
「台湾製部品はゼロ」
主計総処は今年の台湾経済の3大リスク要因として、▽中国電子部品業界による低価格受注▽米国の量的緩和政策(QE)縮小▽新興国の成長減速──を挙げた。このうち、中国企業によって台湾メーカーの受注が奪われる事態を最も深刻に受け止めている。高志祥・同処経済予測科科長は、中国・TCL通訊科技傘下の携帯電話ブランド「アルカテル」が全て中国製部品を採用し、台湾製は一つもないという例を挙げて、中国部品業界が台湾のライバルに成長しつつある現状に憂慮を示した。
新興国経済については、グローバルインサイトがこのほど成長率予測を0.3ポイント下方修正した。高科長は、通貨安が経済成長を阻み、ひいては台湾の輸出に悪影響が及ぶ恐れがあると指摘した。
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