ニュース その他分野 作成日:2014年2月26日_記事番号:T00048857
江宜樺行政院長は25日、行政機関で働く公務員を対象とし、一般企業も参考にしている年間休日数を、春節(旧正月)休暇を9日間に固定するなど3案から1つを選択し、来年以降の年間休日を115~116日とする方針を明らかにした。これにより、来年は本来の109日から休日数が増える可能性が大きく高まった。来月より政府の関係部門に工商団体も招いて討議の上決定し、遅くとも6月末までに発表したい考えだ。26日付工商時報などが報じた。
江行政院長(左)。統一地方選に向けたあからさまな人気取りとの批判も出ている(25日=中央社)
年間休日数を増やす3案は、▽春節休暇を9日に固定▽祝日が土・日曜日と重なった場合、振り替え休日を設ける▽元宵節(旧暦1月15日)やクリスマスなど祝日の新設──で、どれか1つを採用した上で、関連法案を改正し来年の実施を目指す。最も有力なのは振り替え休日案とみられている。
公務員の年間休日数は「記念日・祝日実施弁法」に準じており、▽元日(1月1日)▽除夕(旧暦の大みそか)▽春節▽228和平紀念日(2月28日)▽児童節(4月4日)▽清明節(4月5日ごろ)▽端午節(旧暦5月5日)▽中秋節(旧暦8月15日)▽国慶節(10月10日)──が祝日となっている。除夕、春節以外は土・日曜日と重なっても振り替え休日を設けないと定められており、現状のままでは来年は6つの祝日が土日と重なってなくなってしまう。
江行政院長は、年間休日数増加は住民の「小確幸(しょうかっこう、村上春樹が作った造語で小さいけれども確かな幸せの意味)の創造」の立場で考える必要があると強調。景気低迷が叫ばれる中、休日が増えれば台湾域内の産業の活性化や消費拡大につながると重要性を訴えた。中華民国旅行商業同業公会全国聯合会(旅行業全聯会)は、春節が9日間になれば観光業の業績は3割増えると試算している。
産業界、コスト増で反対
ただ、製造業への悪影響も指摘されている。1月の工業生産指数は春節休暇で営業日が2日減少しただけで、前年同月比1.78%低下のマイナス成長に転じた。中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の蔡練生秘書長は、年間休日数が1日増加すると台湾企業のコスト負担増は総額86億台湾元(約290億円)に上ると指摘し、反対姿勢を示した。
また、台湾大学国家発展研究所の辛炳隆副教授は、金銭的に余裕があってこそ消費が増えるのであって、休日が増えれば消費拡大、経済成長を促進するという考え方は誤りだと強調。失業問題や給与水準の低下、物価上昇などに加えて、休日が増えれば企業は賃上げを踏みとどまり、かえって労働者にはマイナスとなると指摘した。
なお、台湾では休日について公務員は「記念日・祝日実施弁法」を、一般企業の労働者は労働基準法の「7日のうち、少なくとも1日を休日とする」に準じている。政府が年間休日数の拡大を決定しても一般企業への強制力はなく、企業によっては労働者が恩恵を受けない可能性もある。
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