ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

百貨店PB出店拡大、成長の鍵に


ニュース 商業・サービス 作成日:2014年3月4日_記事番号:T00048947

百貨店PB出店拡大、成長の鍵に

 百貨店発のプライベートブランド(PB)が存在感を高めている。台北駅に隣接する京站時尚広場(Qスクエア)は無国籍料理レストラン「紅色檳氛(L'air Rouge)」が好評で、今年、店外での支店オープンを計画している。誠品生活(eslite spectrum)松煙店が設立した生活雑貨ブランド「expo」、「AXES」も予想以上の売れ行きで、北部、中部で出店を準備中だ。成熟した百貨店業界でPBが成長の鍵となりそうだ。4日付工商時報などが報じた。

 Qスクエアの柯愫吟総経理は、同社はオープン後4年連続で売上高2桁成長、3年連続黒字を達成しており、商品の差別化と改装が次なる課題で、PBはその一環だと説明した。同社のPBは現在紅色檳氛しかないが、早速黒字化した上、複数の業者から声を掛けられ、北部での店外出店準備に至ったと話した。本店は焼きたてパンとデザートやコーヒーが口コミで人気だが、支店は異なるタイプの店舗とするという。

 紅色檳氛は売上高が年々成長しており、年間3,000万台湾元(約1億円)に上る。Qスクエアの今年の売上高目標は前年比5%増の63億元だ。

癒し系雑貨のPB検討

 Qスクエアは、商品構成が似通う百貨店市場では特色を出すことが重要と考え、春、秋の改装で癒し系をテーマとしたインテリア雑貨コーナーを設置する。もし秋の改装で眼鏡にかなうブランドがなければ、ここで新PBを打ち出す可能性がある。

 柯総経理など同社経営陣は旧・衣蝶百貨(イデー)出身者が多く、当時インテリア雑貨のPB「オフタイム」を設立し好評を得た経験を持つ。Qスクエアは09年末のオープン後、婦人用衣料PB「Mori Girl」を持っていたが2年後に他社に譲渡した。

高いデザイン性に注目

 一方、松山文創園区(松山カルチャー&クリエーティブパーク、台北市信義区)の誠品生活松煙店のPBも洗練されたデザインで業界の注目度が高い。「expo」は北部、中部に2~3店出店する予定で、「AXES」は5月に誠品(eslite)敦南店で2号店をオープンする。

 なお、百貨店PBの先駆け的存在は、新光三越百貨傘下、3C(コンピューター、通信、家電)製品やCDやDVD、書籍などを販売する「法雅客(FAYAQUE)」だ。台中市の中友百貨や台北市の慶城街1号(アーバン・ワン)に店外店も構えている。

 太平洋崇光百貨(太平洋そごう)も先月、PB設立構想を明かした。アクセサリー類を計画しているようだ。

【表】