ニュース 電子 作成日:2014年3月11日_記事番号:T00049090
スマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)は中国市場でミドルエンド「デザイア816」の予約受付がわずか3日で45万人に上った。台湾では4月に「デザイア310」を、欧州では5月から「デザイア610」を発売する。ハイエンド市場が飽和に向かう中、中国の新興ブランド、北京小米科技の参入で盛り上がるミドルエンド市場で、HTCはデザイアシリーズを強化し、再起への足掛かりとしたい考えだ。11日付蘋果日報などが報じた。
「デザイア816」。易迅網の予約販売はイヤホン、カバーなど付属品込みで1万台湾元足らず。申し込みは50万人を突破する勢いだ(HTCリリースより)
「デザイア816」は7日、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)傘下の易迅網が予約受付を開始した。18日に微信商城が中国聯合網絡通信(チャイナ・ユニコム)版を先行発売する。中国移動通信(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)を合わせた中国のキャリア大手3社全社が取り扱う。ディスプレイサイズ5.5インチでクアルコムのクアッドコア「スナップドラゴン400」搭載、第4世代移動通信システム(4G)LTE対応で、ホーム画面「BlinkFeed」やスピーカー「BoomSound」などは旗艦機種「HTC One」と同じだ。
ドイツ証券の呂家霖アナリストは、本体価格わずか1,799人民元(約3万円)と、他社のLTE対応機種と比べてコストパフォーマンスが高いと指摘。第2四半期の出荷台数は150万台に上り、同社全体の売上高は70%成長すると予測した。同社が聯発科技(メディアテック)のプロセッサー採用で低コスト戦略にかじを切り直したことなどを評価し、目標株価を155台湾元(約530円)に引き上げた。HTCの11日終値は146.5元で、前日から6元、4.27%の大幅高となった。
HTCは先日、チャイナ・テレコムとデザイアシリーズ新製品発表会兼発注大会を開催しており、メディアテックのクアッドコア搭載の「デザイア316」「デザイア516」の価格は1,000人民元前後まで押し下げられたようだ。HTCは従来、この価格帯までの下落は避けてきたが、チャイナ・テレコムにとっては販売量が最も多い価格帯であるため期待もかかる。関係者は「デザイア316」は750人民元まで下がると予測している。
ソニー・LGも強化
アップルとサムスン電子がハイエンド市場に君臨する中、ミドルエンド市場に力を入れ始めたのはHTCだけではない。
ソニーモバイルコミュニケーションズは旗艦機種「エクスペリアZ2」と同時に、「エクスペリアM2」を4月より発売予定だ。4.8インチのqHDディスプレイで、クアルコムのスナップドラゴン400シリーズの「MSM8926」を搭載しLTE対応だ。カメラは800万画素。
LGエレクトロニクスは「LG G2」とよく似た外観の「LG G2ミニ」を発売する。広視野角IPS方式4.7インチとディスプレイをサイズダウンし、クアルコムかエヌビディアのクアッドコアプロセッサー搭載で、カメラは800万画素か1,300万画素だ。
大手ブランドのハイエンド機種は自社生産が多いが、ミドルエンド機種はコスト低減のため外部に生産を委託することから、台湾の受託メーカーはローエンド機種からの受注範囲拡大につながる。HTCやソニーから受注した華冠通訊(アリマ・コミュニケーションズ)や、華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ、CCI)を2月末に経営統合した仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)だけでなく、台湾の部品メーカーも恩恵を受けそうだ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722