ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2014年3月17日_記事番号:T00049201
ねじ製造の酸洗い、電気めっき工程で発生する廃液の処理能力が不足する中、中国鋼鉄(CSC)は同社が中心となり、高雄市に廃液処理施設を関連企業と共同で建設することを決めた。投資額は8億台湾元(約27億円)。これにより、懸念されていたサプライチェーン(供給網)断絶が回避できる上、東明控股、春雨工廠などねじメーカーは今年1~2割の増収が期待できそうだ。17日付経済日報が報じた。
CSCの劉季剛業務部門副総経理(右4)は、同社が中心となって労働力や資金を支援すると述べた(金属センターリリースより)
南部のねじ業界は最近、酸洗い、電気めっき工場が環境汚染問題から相次いで操業停止命令を受けたことで、電気めっき価格の上昇、納期の遅れを招き、中長期的にサプライチェーンが断絶すると懸念されていた。
業界関係者は、ねじメーカーが受注に慎重になり、ねじ生産額の20~25%に影響が出ていると指摘した。
呂正華・経済部工業局長は14日金属工業研究発展中心(金属センター、MIRDC)で、廃液処理施設の共同建設に向けた具体的な方法を模索するため、関連業者との座談会を開催した。出席したのは曽文生・高雄市政府経済発展局長の他、電気めっき、廃液処理など南部のねじ関係会社10社以上。廃液処理施設の共同建設に向け、▽ねじ業界団体の台湾区螺絲工業同業公会▽CSC▽世豊螺絲廠▽英徳工業(スレッド・インダストリアル)▽晋禾企業▽恒耀工業──が覚書(MOU)を交わした。
金属センターによると、建設地は高雄市の岡山本洲産業園区の5,000坪の用地の予定だ。ただ、処理能力など詳細は協議中だ。
高雄市はねじ産業の重要な生産拠点で、生産額は1,200億元を超え、従事する労働者は2万5,000人に上る。
中国商機、10%拡大へ
証券会社は、酸洗い、電気めっき工場の相次ぐ閉鎖でねじ生産能力が25%減少し、環境に配慮した製品のコストは1トン当たり100米ドル上昇したと指摘した。台湾のねじ業界は線材の大部分をCSC、中龍鋼鉄(ドラゴン・スチール)が供給し、春雨工廠、聚亨企業(タイクーンズ・グループ・エンタープライス)、友信国際(QSTインターナショナル)、世豊螺絲廠などは一部工程を外部に委託しているが、廃液処理施設の誕生で製造工程が正常化すれば、各社の生産販売が伸びる見通しだ。特に中国市場の規模は今年10%拡大する見通しで、商機が期待できる。
2013年のねじ輸出量は145万9,000トンで、11年の142万2,000トンを上回り、過去最高を更新した。台湾は高付加価値のステンレス製ねじや自動車用ボルト・ナットに強い。
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