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台湾人留学生が甲子園出場へ、リアル版『KANO』と評判に


ニュース 社会 作成日:2014年3月19日_記事番号:T00049231

台湾人留学生が甲子園出場へ、リアル版『KANO』と評判に

 日本統治時代に嘉義農林学校野球部が日本の高等学校野球大会で見事準優勝を果たした実話を描いた映画『KANO』(馬志翔監督)が台湾で人気を集める中、「春の甲子園」と呼ばれる第86回選抜高等学校野球大会(21日開幕)に八戸学院光星(青森県)が代表に選ばれ、同校に野球留学中の台湾人学生、蔡鉦宇選手(2年)が甲子園の土を踏む見通しだ。

 蔡選手は同校の4番を務める注目のスラッガーで、試合に出場すれば、戦後生まれの台湾人としては昨年までソフトバンクで活躍し、現在は台湾プロ野球の義大ライノズに所属する蕭一傑投手に続き2人目となる。なお、蕭投手は日南学園高等学校(宮城県)出身で、2003年の夏の甲子園に中継ぎとして登板した。

 蔡選手は台北市の東園国民小学(小学校)、重慶国中(中学校)の野球部で活躍し、偶然にも『KANO』でエースの「アキラ」こと呉明捷投手を演じた曹佑寧の後輩に当たる。

 蔡選手の過去2年の成績は本塁打25本と現役球児で5位。その怪力ぶりから日本のメディアに「台湾から来た怪物」とも評され、活躍が期待されている。蔡選手は今年4月に3年生に進級するが、八戸光星入学前に台湾の高校に1年所属しており、日本高等学校野球連盟の年齢規定で夏の甲子園には出場できない。そのため今大会が甲子園出場の最後のチャンスだ。

 蔡選手は留学当初は日本での生活に慣れず、体調を崩し3週間の入院を余儀なくされた。いったん台湾に帰ることも考えたが、日本に戻れなくなる思い、とどまったそうだ。卒業後はプロ野球選手を夢見ているが、かなわなければ日本の大学に進学して野球を続ける考えだ。

 日本での活躍を受け、アジア地区の18歳以下の選手による「AAAアジア野球選手権大会」の台湾代表に召集される可能性も出てきた。代表選手は今年7月に決定する予定だ。

 なお、蔡選手が所属する八戸光星は春の甲子園には2年ぶり7回目の出場で、前回出場した第84回大会(12年)では決勝戦で大阪桐蔭高校(大阪)に破れ準優勝だった。今大会の初戦は26日に、春夏合わせ5の優勝の強豪、横浜高校(神奈川県)と対戦する。