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立法院占拠学生、馬総統との対話要求


ニュース 社会 作成日:2014年3月20日_記事番号:T00049282

立法院占拠学生、馬総統との対話要求

 与党国民党による中台間のサービス貿易協定の承認強行方針に抗議し、立法院を占拠中の学生らは20日午前、21日正午までに馬英九総統との直接対話を求め、実現しない場合、さらなる抗議活動を展開すると宣言した。馬政権は同協定の今会期中の承認を目指す方針を変更しておらず、政権と学生との間で摩擦の拡大が懸念される状況だ。


学生たちは「国家の危機」だとして、青天白日満地紅旗を立法院に逆さまに掲げた(20日=中央社)

 学生たちはまた、「立法院職権行使法」を根拠に審議から3カ月が経過したため同協定が委員会審議を通過したとした張慶忠立法委員(国民党、内政委員会召集委員)の宣言に対し王金平立法委員長が無効表明を行うこと、および立法院が今会期中に中台間の協定を監視する「両岸協議監督条例」を成立させることも要求した。

 ただ、馬総統は19日、国民党の立法院議員団幹部と面会した際、中台サービス貿易協定を必ず今会期中に成立させるよう伝えた。経済発展のために市場開放は絶対的な鍵で、既に遅れている同協定の承認がさらに延びるようであれば、国際社会でその決心が疑問視されるとの考えを改めて表明した。

 既に委員会審議が終わったという前提であれば、後は本会議で多数の力で押し通すだけだ。林鴻池・国民党政策会執行長は、「既に議論の余地はない」として、あくまで本会議突破を目指す考えを示した。

「経済的統一」に危機感

 中台サービス貿易協定は、「開放度は小さいためあまり影響はなく、中国での商機拡大、今後の他国との自由貿易協定(FTA)締結推進のためにも必要」という推進派と、「中国への依存度がさらに高まるため経済面での自主権を失い、中国による政治的統一の前段階としての経済的統一が実現されてしまう」と主張する反対派との間で意見の相違が非常に大きい。

 経済部の卓士昭次長は19日、中台サービス貿易協定の発効が先送りされて喜ぶのは、台湾がライバル視する韓国だと語った。中韓FTAが先にまとまった場合、中国市場での台湾の先行メリットを奪われてしまうとして、発効先送りによる台湾の競争力低下リスクに警鐘を鳴らした。反対派では、台湾大学経済学系の鄭秀玲教授が、米国国会で反対に遭って一度は発効が見送られた米韓FTA(2012年3月発効)の例にならって、中台もサービス貿易協定で交渉をやり直すべきと主張している。

 馬英九政権は世論への配慮から、現段階で学生たちの強制排除は行わない方針だ。当面は21日以降に抗議活動がどこまで拡大するのかが注目される。