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学生が撤退条件提示、中台協定の監督法制化を要求


ニュース 政治 作成日:2014年3月27日_記事番号:T00049421

学生が撤退条件提示、中台協定の監督法制化を要求

 学生による立法院占拠が10日目を迎え膠着(こうちゃく)状態が続く中、学生リーダーの林飛帆氏は27日午前、中台間の協定に関する監督システムの立法化を約束するよう与野党の立法委員に求めており、多くの賛同が得られた時点で撤退するとの考えを表明した。馬英九政権と学生側の攻防は落とし所が求められる段階に入っているが、政権側にとっては中台サービス貿易協定発効の大幅遅延をのまざるを得ない要求のため、交渉が具体的に進展するかは不透明だ。


学生たちの下には、各界の支援者から続々と援助物資が届いている(27日=中央社)

 林飛帆氏は、▽中台間の協定に対する監督の法制化▽サービス貿易協定の審議は法制化完了後に行う▽立法院程序委員会(議会運営委員会)は監督法制化に関する各種提案を阻止しない──の3点を盛り込んだ承諾書を立法委員に配布しており、十分な数を回収したら立法院からの撤退準備に入ると語った。

 ただ、国民党立法委員からは既に監督システムは完成されていると反発の声があり、現段階で承諾書にサインする委員は多くないとみられる。

 一方、与野党の立法院議員団が事態の打開を目指して27日午前から3度目の交渉を行ったもののまたも決裂、サービス貿易協定の審議再開は依然めどが立っていない。

 交渉では国民党議員団が審議のやり方をめぐって提示した、▽条文ごとの審査▽王金平立法院が主宰▽場所にはこだわらない▽民進党がいかなる妨害も行わないことに明文で同意すること──の4条件を民進党側が拒否。国民党側に依然誠意が見られないと批判した。与野党間の交渉が行き詰まる中、王立法院長は両党に妥協可能な案の提出を呼び掛け、場合によっては自身で解決案を提出する考えを示した。

 なお、国民党は26日夜、中台サービス協定の審議を委員会でやり直すことへの譲歩を決めた。本会議送付の無効は同日の内政委員会で確定しており、これを追認した形となった。

中国有力紙「再交渉あり得ず」

 国民党が立法院での協定の条文ごとの審議を受け入れる考えを表明したことに関連し、張家祝経済部長は26日、「協定の一部条文を修正しようとするのは、協定が通過しないということに等しい。中国との再交渉も相手側が受け入れるかどうか分からない」と述べ、条文見直しはあり得ないとの考えを表明した。その上で、「内容の修正について既に条文に取り決めがあり、意見がある場合は協定の発効後に中国側に対応を要求できる」と説明した。

 中国では共産党機関紙「人民日報」の国際版、環球時報が26日付で、「台湾側が再交渉を求めてきたとしても、大陸側は台湾の政党間の悪闘の結果を背負うことはあり得ない」と論評、再交渉はないとの見方を伝えた。国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は26日、「両岸(中台)の経済協力の進展が妨害されることを誰も望まない」と述べ、学生による立法院占拠に不快感を示している。

産業界、迅速な発効訴え

 立法院占拠が終わらない状況に台湾産業界はいら立ちを強めており、26日は中華民国全国商業総会(商総)と50の関連業界団体、労働団体の代表12人がサービス貿易協定への支持表明し、迅速な発効を訴えた。