ニュース 社会 作成日:2014年4月1日_記事番号:T00049489
2月末の公開後すぐに大ブームとなった野球映画『KANO』(馬志翔監督)が31日午後8時半から、中台サービス貿易協定に反対する学生らによって占拠中の立法院の議場内で上映された。これは学生たちの行動に感銘を受けた同作品のプロデューサー、魏徳聖氏が申し出たもので、配給会社の賛同を得て実現した。

100人以上が「カメラで撮影、録画しない」というルールを守りつつ、じっとスクリーンを見つめた(31日=中央社)
魏氏は、映画監督として『海角七号』『セデック・バレ』と、台湾の風土や歴史に根ざしたストーリーを特徴とする作品を世に送り出し、ヒットさせてきた。総統府前の凱達格蘭(ケダガラン)大道で中台サービス貿易協定に反対する大規模デモが行われた30日の夜、魏氏は自身の気持ちを手紙にしたため、立法院内で抗議を続ける学生たちに届けた。
馬監督によって学生たちの前で読み上げられた魏氏の手紙は、「あの夜、学生たちが立法院の正門を打ち破る様子を目にし、これまで経験したことのない衝撃を受けた」という書き出しで始まり、「それは学生たちが荒っぽい手段を用いたからではなく、今、自分の手で台湾を守ろうとする行動が始まったと感じたからだ」と続いた。
魏氏は台湾が現在置かれた状況について「自宅のベランダに巨大な木を植えようとしているのではないか」と問い掛け、「経済的な利益のために本来の姿を見失うことは怖い」と心情を吐露した。
その上で学生たちの立法院占拠を「勇気ある行動で、敬服する」と賞賛し、「学生たちにいつ撤退するのか、どのように問題を解決するのかと問うべきではない。なぜなら本当に解決することのできる権力を持つ人間は学生たちの行動を傍観しているだけだからだ」と指摘。「学生たちを撤退させる方法ばかりを算段するのではなく、その訴えに正面から向き合うことを望む」と政府に訴えた。
『KANO』は日本統治時代年に台湾の球児が甲子園で準優勝を果たすまでのストーリーを描いている。この映画を見た学生たちは、自分たちの姿に重ね合わせて大いに力を得たに違いない。
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