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作成日:2008年1月14日_記事番号:T00004952
蒋経国氏故居、死去20年で初公開
蒋経国総統の故居「七海寓所」(台北市大直)が、死去から20年に当たる13日、初めて一般公開された。午前9時から正午までの3時間、先着400人に限った公開で、早朝午前6時から並ぶ見学者もいたほどの人気ぶりだった。午前9時半には人数に達して締め切られたが、正午までに押しかけた人は1,000人以上に上ったという。見学者は、室内のじゅうたんを痛めないよう台北市文化局が用意したシューズカバーを着用し、ガイドの引率の下14人ずつ入室し、約15分間参観した。カメラの持ち込みは禁じられた。
七海寓所は1950年代に建てられた新式の鉄筋コンクリート建築。もとは海軍の外国人賓客招待所だったが、69年から蒋経国氏が蒋方良夫人と20年間暮らした。
玄関には蒋経国氏の母、毛福梅氏の肖像画や、父、蒋介石総統自筆の「賢良孝慈」の石碑が置かれている。1階は接客室と食卓、台所で、2階は書斎や居間、寝室などの生活空間として使われていたという。家具や調度は当時のまま完全に保存されており、古い冷蔵庫やさびたガスレンジなど、庶民と変わらない蒋経国氏の質素な生活ぶりを思わせるものも多い。
73年に蒋家に嫁いだ蒋経国氏の三男、蒋孝勇氏(故人)夫人の蒋方智怡さんは、経国氏が仕事を終えて帰宅すると、すぐに方良夫人を呼び、夫人が経国氏をいそいそと出迎えていた心温まる場面を思い出すという。
七海寓所は歴史的な意義を持つことから、台北市が06年7月に古跡に指定。今後は「蒋経国記念館」として保存する方針で、早ければ1年後にも一般に公開される見通しだ。