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立法院占拠、強制終結の兆し


ニュース 社会 作成日:2014年4月3日_記事番号:T00049571

立法院占拠、強制終結の兆し

 中台サービス貿易協定に反対する学生らの立法院占拠が半月以上に及んだ中、検察が2日までに占拠の首謀者など205人を捜査対象としていることが分かった。馬英九総統は1日、「法的措置を取る」と発言しており、米国など世界が関心を寄せる立法院のまひ状態をこれ以上放置できなくなってきたとの見方が出ている。3日付蘋果日報などが報じた。


立法院占拠が長期化する中、リーダーの林氏は疲労を口にし、自身も早期の問題解決を望んでいることをうかがわせた(3日=中央社)

 台北地方法院検察署(地検)の2日までのまとめによると、捜査案件は8件で被告は24人。学生運動のリーダー、林飛帆氏と陳為廷氏は立法院占拠の首謀者と見なされている。清華大学の学生など11人は3月23日の行政院侵入で、唯一逮捕、送検された。こうした公務執行妨害、器物損壊、住居侵入など4つの罪に205人が関係しているという。

 警察の捜査対象となった多くは、蘋果日報の独占インタビューを受けたことで氏名が明らかになったようだ。行政院侵入時に警察に殴られて頸椎(けいつい)をけがしたと話した学生は3月29日病院で、台北市政府警察局刑事警察大隊に調書を取られ、誰に連れて行かれたのか、どうやって侵入したのかと問われたという。

 リーダーの林氏は2日、馬総統が法的措置を取ると話した以前から検察、警察が動いていたと指摘。法的責任を負う覚悟はあるが、問題が解決する前に法的手段で無理やり事態を収拾するのはやめてほしいと述べた。

 江宜樺行政院長は先日、学生らを起訴するとしても刑は軽くして将来を奪わないでほしいと話している。

 蘋果日報が2日実施した電話アンケート調査では、「今回の学生運動は市民の権益を守るためのもので、捜査対象とすべきでない」との回答が63.11%を占めた一方、「立法院の機能をまひさせ、公共物を破損したため捜査すべき」との回答も29.73%あった。

米メディア、民進党に疑惑

 米国政府のインサイダー情報を得意とする会員限定ニュースレター「ネルソン・レポート」は2日、学生は民主主義をうたって立法院を占拠しているが、これでは専制に等しいと指摘した。東アジア問題の専門家、アラン・ロンバーグ氏は同レポートで、言論の自由は尊重されるが政府を妨害することは賛成できかねると、立法院占拠を背後で支援している政治家を批判した。ネルソン氏は、民進党が学生の立法院占拠をそそのかしたのではなくとも、その後学生を支持している本当の目的は何かと疑問を投げ掛けた。

 国民党寄りの中国時報は、馬総統が一部譲歩を示したにもかかわらず、学生が立法院にいつまでも居座り、全ての要求を押し通すのは賢明でないと指摘。3月30日のデモ参加者50万人以外の存在を忘れていないかと呼び掛けた。